インドネシア東カリマンタン州にある鉱山会社Kaltim Prima Coal (KPC)。世界最大級の露天掘り鉱山を運営する同社と日立建機との付き合いが始まったのは1990年。30年以上にも渡る信頼関係はどう育まれたのか。キーワードは持続可能性。鉱山で働く人たちも、周辺地域の住民も、ずっと幸せに。そしてKPCと日立建機との関係も、ずっと良い関係を。そうKPCの経営陣は口を揃えて言った。
KPCのCEOであるアショクは、アジアの鉱業リーダーTOP10にも選ばれた傑出した人物だ。そんな彼に「日立建機とのつながりを一言で表すなら?」と訊ねると、「オープンさだね」という答えが返ってきた。「たとえ問題が起きても隠すことなく解決のためにオープンなディスカッションができる。彼らのそういった姿勢や顧客に対する透明性の高いアプローチがとても気に入っているんだ」
今ではKPCにある40%が日立建機のマシンだ。ここまでマシンを増やしつづけた理由について、同社COOのヘンドロは「高い生産性で我が社の業績に貢献してくれているからさ」と語る。
環境規制に絡み、鉱山業界は厳しい状況にある。いかに効率を上げ、高いパフォーマンスを発揮するか。それは彼らにとって重要な課題だ。その生産性に一役買っているのが再生部品だ。日立建機は鉱山現場に近いバリクパパンに再生工場を構えている。再生部品が迅速に供給されることで生産性の向上につながることはもちろん、SDGsへも貢献できる。
「日立建機は鉱山現場内に独自の作業場も設けてるんだ。だから予備の部品もすぐに手に入る」とアショク。
こうした日立建機との特別なつながりについて、ジェネラルマネージャーのスシロは語る。「日立建機はサポートも素晴らしいし、コストパフォーマンスの高さも圧倒的」
サンガッタの鉱山では、多くの女性オペレーターたちが働いている。同じ仕事をしていた父親に憧れてオペレーターになったという女性や、ここで夫と出会い2人の娘に恵まれたという女性。そして、大きな重機を操作して男性と同じように働けることを証明したいという女性…。それぞれがみんな、ここでの仕事に誇りを持っている。そんな彼女たちは日立建機のマシンをどう感じているのだろうか。「燃費も良くて機敏だし、安全性能も高い。おまけにエアコンも涼しくて快適。要するに完璧ね」「マシンの耐久性が高くて、抜群にパフォーマンスがいいの」「ステアリングも軽くて女性でも問題なく操作できるし、積み込みもダンピング作業もすごく楽だから気に入ってるわ」 KPCは全ての従業員の成長をサポートしてくれると彼女たちは語る。一緒に働く同僚は家族のようなもの、という言葉が当たり前のように出てくるのは、KPCが掲げる「MORE THAN MINING」の精神が浸透しているからだろう。
30年前わずか3,000~4,000人だったサンガッタの人口は、KPCが鉱山の採掘を開始してから増え始め、今では12万人に届こうとしている。ヘンドロは言う。「我々は鉱山だけではなく、その地域に暮らす人々にも目を向けている。採掘が終了した時に、農業をしたり家畜を育てたり、ここでみんながずっと幸せに暮らしていけるようにね」採掘だけでは終わらない。それを超えて生み出されるものこそがきっと、持続可能な社会をつくるのだろう。「日立建機とは今後も互いに利益を与えられる関係でい続けたいね」Ashokが微笑んだ。KPCが見つめる未来。そこに我々のマシンが共に在り続けられることを願う。