フランス・ブルターニュ地方マンロックを流れるロワザンス川。人工的な整備によって流れが変わり、水質汚染につながっていたこの川を、自然環境の改善に強みを持つ建設会社Agrioservicesは、昔の衛星写真を手がかりに自然な流れに再生させている。プロジェクトをリードするのは、Agrioservicesのマネージャー、バージニー。彼女はかつて人々をケアする仕事をしていたが、もっと大きなものにしたいと考え、やがてそれは自然環境のケアへと発展していったという。
「私は15年間、人をケアする仕事をしていたの。でも、もっともっと大きなケアをしたいという思いをずっと持っていた。そしてあるとき、ふと思ったの。自然環境を改善することで、それを実現できるんじゃないか、って」
もともとAgrioservicesは農業をメインとしていたが、仕事を通じて環境に関わる中で、やがてその復元や改善に関心を持つようになり、今では環境建設事業を行う会社として生まれ変わった。現在、同社が取り組んでいるのは全長2キロに及ぶマンロックにある川の復元プロジェクトだ。ゴールは1980年代に整備されたこの川を元の状態に戻し、地下水との接続を回復させること。しかし湿地帯であるこの場所は、油圧ショベルが何度も行き来すれば地下水があふれ出し、作業が中断してしまう。そこで役に立ったのが、幅の広いクローラを装備した日立建機の油圧ショベルだ。
「この油圧ショベルなら、移動を減らして地形の損傷を最小限に抑えられるの。おかげで作業を中断することなく進められるわ」
油圧ショベルのオペレータをしているリュックとマキシムも、そんな日立建機の製品がお気に入りだ。
「メンテナンスコストが低くて燃費もいい。年間1,200時間も乗っているけれど、視認性に優れていてキャブも快適。おかげで疲労が大幅に軽減されたよ」
「確かにキャブの快適さはピカイチだね。1年間使用してびっくりしたことは、作業効率がまったく落ちないこと。アフターサービスも万全だし、安心して使うことができるよ」
Agrioservicesは、環境マネジメントシステムに関する国際規格であるISO 14001の認証を取得。環境を第一に考える同社に、日立建機は燃料消費量とCO₂排出量を追跡するためのサービスソリューションを提供している。
「このパフォーマンスレポートのおかげで、二酸化炭素排出量を評価したり、月ごとの燃料消費量を比較したりできるの。効率的に改善ポイントを知ることができるから、それが利益を生み出すことにもつながってるわ」とバージニー。
事実、この8年間でAgrioservicesは急成長を遂げた。当初ゼロだった売上は、今や年間150万ユーロに迫ろうとしている。
「私は、日立建機のこうしたサービスが成長を後押ししてくれたと思っているわ。日立建機はいつだって私たちのニーズに迅速に応えてくれる、信頼できるパートナーよ。私たちが日立建機を選ぶ理由は価格だけじゃない。機械やサービスに深い愛着を持っているからなの」
先日、バージニー は日立建機に招待され、展示会に参加した。そこで披露された新技術はまさに彼女たちが求める、環境に配慮したものだったと微笑む。
「もちろん、まだ実用化には課題もあるけれど、私たちはみんな日立建機の新技術に期待してるの」
そんなバージニーがめざすのは、従業員、お客さま、パートナーに近い存在として家族的な企業であり続けること。
「自然環境を改善するのはとても大変だけれど、その分やりがいも大きいの。仲間たちが情熱を持って共に歩んでくれること、そして日立建機の製品がそんな私たちの挑戦をこの先もサポートしつづけてくれることを願っているわ」