疲れ解消! ストレッチ - Vol.01 正しい姿勢の作り方
そのカラダの疲れや不調、姿勢で治るかも!? 今回は基本となる「正しい姿勢」のつくり方を解説。現場やオフィス仕事の空き時間に気軽に始めよう。
構成・文/編集部 写真/高田浩行 モデル/松元飛鳥、早坂梨菜
「正しい姿勢」を手に入れて日々の“プチ不調”を取り除く
肩コリや腰痛、背中の凝りなどのカラダの不調を常に抱えていないだろうか? 最近、疲れやすいと感じていないだろうか? 「職業病のようなものだから」と諦めるのはまだ早い。「正しい姿勢をつくれば必ず改善できます」と語るのは仲野整體東京青山の仲野孝明先生。「逆に言えば、正しい姿勢を保てなければ、医療機関やマッサージなどの治療も、その場しのぎに過ぎません」(仲野先生)。間違った姿勢を放っておけば、そのうち内臓や足のトラブルにもつながりかねないという。
まずは、右の「姿勢チェック」で、自分のカラダにしっかりと向き合うことから始めよう。次のページでは正しい姿勢のつくり方のストレッチを紹介する。姿勢が悪い人にはキツく感じるかもしれないが、「頑張って3週間続ければ、カラダに正しいクセがつきます」と仲野先生。「同じ姿勢を30分以上続けると骨格や筋肉に負担がかかります。1時間に1回は体勢を変える習慣もつけてください」
仲野整體 ( なかのせいたい ) 東京青山 院長
仲野孝明先生
姿勢治療家、柔道整復師。柔道整復師認定スポーツトレーナー。介護予防運動指導員。1973年三重県生まれ。大正15年創業の仲野整體の4代目として、“姿勢から日本を変える”をモットーに15万人以上の患者を治療。著書に『一生「疲れない」姿勢のつくり方』(実業之日本社)、『9割の体調不良は姿勢でよくなる』(KADOKAWA)など。
まずは姿勢チェック
壁に背中を向けて立ち、かかと・ふくらはぎ・お尻・肩・頭の5点が壁に付けばOK。かかとの中央と足の人さし指を結ぶラインが、壁と90度になるように立つ。
立ち方のPoint
壁に背中を向けて立ち、かかと・ふくらはぎ・お尻・肩・頭の5点が壁に付けばOK。かかとの中央と足の人さし指を結ぶラインが、壁と90度になるように立つ。
座り方のPoint
深く座り、お尻からカラダの上に向けて整えていく。足裏は床の全面に付け、ひざは直角に曲げる。立ち方同様、耳の後ろを上に引き上げるのがコツ。
頭
肩
左右の肩甲骨を壁にしっかり付けることが大事。普段の姿勢が悪い人は、かなり胸を張った姿勢に感じるだろう。
お尻
ふくらはぎ
ふくらはぎの裏が壁につきにくい人は、日頃から膝が曲がり気味の可能性が高い。
かかと
ココもCHECK!!
「あぐら」でも姿勢が整うひと工夫
あぐらは、「坐骨を立てる」正しい座り方ができにくい体勢。猫背になり、骨盤を後ろに傾けた状態で座りがちなため、腰への負担が大きくなってしまう。姿勢を保つためには、お尻の下に高さのあるものを入れて支えをつくると、坐骨が立てやすくなる。
Stretch 01 立って背伸び
正しい姿勢をつくるには、土台である足元から整える。一度足指を上げてから下ろすと、小指と親指とかかとの3点を意識しやすく、足裏が均等に床につけた状態がつくれる。
肩幅に足を開き
胸の前で手を組む
肩幅に足を開いて、背筋を伸ばしたら、両手を胸の前で組んで裏返す。足は外股にも内股にもならないように、まっすぐ前に向ける。
手の甲を見ながら
ゆっくり上げる
大きく息を吸い込んだら、ゆっくり吐きながら組んだ手を上へ。このとき、目線は手の甲をずっと見る。そのまま頭も自然に上向きに上げていく。
手で空を押すように
上半身を伸ばす
手を上まで上げ切ったら、もう一度大きく息を吸い、手のひらを上に押し上げるようにカラダを伸ばす。できる人は、つま先立ちや足をそろえてもOK。
頭を前に戻して
手を横から下ろす
しっかり伸ばしたら、頭だけ前に戻す。薄くなったお腹をできるだけ保ったまま、息を吐きながら、腕をゆっくりカラダの両脇に真横から下ろす。
Stretch 02 座ったまま背伸び
長い時間座っていると、つい前かがみになりがちなもの。肩や背中の筋肉がガチガチに凝り固まってしまう前に、椅子に座りながらの背伸びストレッチで姿勢を整えよう。
姿勢良く浅めに座り
胸の前で手を組む
椅子に浅く座って背筋を伸ばし、両手を胸の前で組んで裏返す。このとき、お腹の皮が引っ張られるように感じるなら、腰が反りすぎの可能性がある。
息を吐きながら
手をゆっくり上へ
大きく息を吸い込んで、ゆっくり吐きながら組んだままの手を上に上げていく。目線は手の甲を追っていき、それに合わせて自然に頭も上向きに。
手で空を押すように
上半身を伸ばす
頭の上まで手が上がったら、もう一度息を大きく吸う。ゆっくり吐きながら、手のひらで空を押し上げるように、上半身を上に引き伸ばす。視線は手の甲。
息を吐きながら
腕をゆっくり下へ
伸ばし終えたら、頭だけ前に戻す。あとは息を吐きながら、腕全体をゆっくり真横に下ろすだけ。これでカラダが本来あるべきポジションに戻る。