特集 - お客さまと、循環型社会と。つながる部品
エンジンにバケット、タイヤ、シリンダにフィルタ……。これらは単なるパーツではなく、一つひとつの部品がつながり、大きな建設機械を動かす原動力となる。それだけではない。部品は、日立建機とお客さまとがつながる接点でもあり、社会に新たな価値をもたらす懸け橋にもなり得る。今号では、知れば知るほど奥深い部品についてクローズアップする。
文/斉藤俊明 写真/中村風詩人、関根則夫 イラスト/内山弘隆
まるわかり建設機械の部品
建設機械を構成する部品の数は膨大だ。それぞれの部品がつながり合って機械が構成されている。
部品それぞれがどういった役割を果たしているのか。
知っているようで知らない建設機械の部品と、それにまつわるトリビアを紹介しよう。
油圧ショベルはどんな部品で構成されている?
建設機械にとってきわめて大切な要素、それは「現場での稼働を止めないこと」である。現場で機械が止まると、当然ながら作業もストップし、お客さまの事業に大きな影響が出てしまう。そうした事態を避けるために、日立建機では保守・メンテナンスのアフターサービス体制を強化している。なかでも故障する前に、機械の状態を診断して各装置の部品をあらかじめ交換することが重要だ。
一方で、機械をいい状態で長く使用するためにお客さま側でできるポイントは①普段から取扱説明書に記載されている通りの保守・整備の期間と方法で定期点検を行うこと。②日立建機の推奨部品を使うことだ。特に車体の保証期間が過ぎた後に、市場で安価に入手できる汎用の部品を使うことで起きるトラブルが頻発している。その影響が機械全体に及んで故障の原因になるだけではなく、結果的に高額な修理費用がかかることもある。
日立建機では部品交換で機械が停止するダウンタイムを最小限に抑え、長くいい状態で使っていただくために、さまざまなアフターサービス用の部品を揃えている。お客さまが部品に求める性能やコストは、機械の使用期間に応じて変わってくるだろう。日立建機としては、新車の状態から、機械を手放す直前までしっかりとサポートするため、性能・価格に応じた部品の選択肢を用意している。
部品トリビア
巨大鉱山機械の部品をクローズアップ!
日立建機最大級ダンプトラックのタイヤは普通自動車のタイヤの6倍の大きさ!
AC(交流)電源で駆動するリジッドダンプトラック「EH5000AC-3」のタイヤサイズは直径3.8m、幅1.2m、重さ4.7tもある。一般的な普通乗用車のタイヤ(直径60cm・幅20cm)と比べると、直径・幅ともになんと6倍。ちなみに車体は長さ13.8m・幅8.5mで、建坪で考えれば35.5坪とまさに家並みの大きさだ。
世界最大級油圧ショベルEX8000にはエンジン2基+油圧ポンプが16個も搭載!
「EX8000」の巨大なボディは、アームとバケットの部分を除いても高さ9.9mとほぼ10mで、幅にいたっては10mを超えている。これだけの巨軀をスムーズに動かすため、エンジンは定格出力1,450kWのものが2基、油圧ポンプは16個も搭載されている。アーム先端のバケット容量も40m3と膨大だ。ちなみに足回り部分の高さだけで3mをゆうに超え、人間が背伸びして手をいっぱいに伸ばしても上まで届かないビッグサイズ。