特集 - “創造”と“成長”をもたらす源 人財の力
一人ひとりが「成長とやりがい」を実感できる、グローバルに基準をおいた人財育成
この不確実性の時代、ビジネスで成果を上げるために欠かせないのは、改革とイノベーションを起こせる人財だ。そんな人財を育む、日立建機の仕組みづくりに迫るー
藤山 寿
人財本部 人事統括部
統括部長
渡辺 俊一
人財本部 人事統括部
グローバル人事企画部
勤労・雇用企画グループ主任
今、建設機械業界を取り巻く環境は大きく変わりつつある。
世界的に投資抑制の傾向が続き、サステナビリティへの関心が高まる中で、建設機械の使用期間は長期化。日立建機でも「バリューチェーン事業」を強化し、レンタルや中古車販売、部品再生事業といったアフターセールスに注力することで、収益性と効率を向上させるとともに、変化に強い体質へと進化を図っている。
その旗印となっているのが日立建機のありたい姿をあらわした、ブランドコンセプト「Reliable solutions」。お客さまの「身近で頼りになるパートナー」として、現場の課題である「安全性向上」「生産性向上」「ライフサイクルコスト低減」を見据え、一歩先を行くアイデアやサービスを提供していく。このミッションを支える基盤は、やはり“人”だ。
一人ひとりが「Reliable solutions」を実現していくに当たり、欠かせない指針となっているのが、日立建機が掲げる価値基準・行動規範である「Kenkijinスピリット」だ。「Challenge(チャレンジ精神)」「Customer(個客志向)」「Communication(風通しの良さ)」の「3つのC」を柱に、失敗を恐れずソリューションのプロフェッショナルとしてチャレンジし、お客さまが真に求めているものが何なのかを考え、チームワークを信じて行動することをめざす。
この「3C」は、開発、製造、販売、サービス、レンタル、管理系の部門ごとに、それぞれの思想を具体化させてブレークダウンし、定義している。それらは、全社員に配布される冊子「Kenkijin スピリット Handbook」によって共有され、おのおのが個人目標につなげて実践していくという仕組みだ。同ハンドブックは英語、中国語をはじめ8カ国語に翻訳されており、Kenkijin スピリットをグローバルに浸透させるのに一役買っている。
グループ会社80社中、73社が海外にあり、人員の約6割を現地の従業員が占める日立建機にとって、グローバルな人事マネジメントは人財戦略の要だ。このコロナ禍でも、売り上げの75%以上は海外が占めており、それぞれの国で現地のスタッフが活躍している様子がうかがえる。
その活躍を後押しするため、2020年度の下半期から取り組んでいるのが、人事制度や施策のグローバル共有だ。従来、各国でばらばらだった処遇体系や育成プログラムに、グローバルな標準モデルを導入した。人財と組織のパフォーマンスを最大化することで、より多様な人財が活躍できる環境を整えるのが狙いだ。
さらに、未来のグローバルリーダーの育成にも注力している。30~40代を中心に、各国で選抜された幹部候補を日本に招き、1、2年ほど日本でマネジメントや、さまざまなビジネスを学んでもらう。いずれグローバルな経営幹部に、今以上に多様なメンバーがそろうようになれば、グループ連携はますます強化されるであろうことが期待される。
これらの人財戦略は、従業員にとっても、自分が会社の中で活躍できるとともにきちんと評価されているという感覚を得られるシステムだ。そんな「成長とやりがい」の実感があってこそ、さまざまなチャレンジやイノベーションが生まれる土壌が育つのだろう。
グループ会社80社中、73社が海外にあり、人員の約6割を現地の従業員が占める日立建機にとって、グローバルな人事マネジメントは人財戦略の要だ。このコロナ禍でも、売り上げの75%以上は海外が占めており、それぞれの国で現地のスタッフが活躍している様子がうかがえる。
その活躍を後押しするため、2020年度の下半期から取り組んでいるのが、人事制度や施策のグローバル共有だ。従来、各国でばらばらだった処遇体系や育成プログラムに、グローバルな標準モデルを導入した。人財と組織のパフォーマンスを最大化することで、より多様な人財が活躍できる環境を整えるのが狙いだ。
さらに、未来のグローバルリーダーの育成にも注力している。30~40代を中心に、各国で選抜された幹部候補を日本に招き、1、2年ほど日本でマネジメントや、さまざまなビジネスを学んでもらう。いずれグローバルな経営幹部に、今以上に多様なメンバーがそろうようになれば、グループ連携はますます強化されるであろうことが期待される。
これらの人財戦略は、従業員にとっても、自分が会社の中で活躍できるとともにきちんと評価されているという感覚を得られるシステムだ。そんな「成長とやりがい」の実感があってこそ、さまざまなチャレンジやイノベーションが生まれる土壌が育つのだろう。