人・機械・社会をつなぐConSiteワールド
いかにお客さまのためになるかを主眼に置いて開発され、今なお進化を続けるサービスソリューション「ConSite」。
「ConSite」は建設機械から取得したデータと日立建機のICT技術を用いて、世界中のお客さま、そして社会に新たな体験価値を提供している。
「ConSite」がもたらす現場のイノベーション、そしてめざす未来像に迫った。
文/斉藤俊明 イラスト/noa1008 写真/関根則夫
建設機械を使うお客さまの願いは、機械の安定稼働と、ライフサイクルコストの低減。
この願いを、データを用いたサービスソリューションによって実現し、お客さまが生み出す価値の最大化を支援するのがConSiteである。
お客さまの課題解決に データ活用で貢献
建設機械には、ほかの機械とは異なる特徴がある。例えば10年以上の長期間にわたり稼働を続ける機械であること。また、鉱山機械の場合は一度に70tもの地盤をはがすなど、大きな負荷がかかる作業を担うケースも多い。風雨にさらされる野外や、屋内作業で舞う粉塵、振動、寒冷地から熱帯地域まで広い温度域の現場など……。多様な環境で稼働するうえ、現場を終えると別の現場に移動し、働く場所が変われば稼働環境も劇的に変わり得る。
こうした過酷な条件下で稼働する機械であるため、状況によっては突発的なトラブルが起きることも考えられる。言うまでもなくお客さまにとっては、機械に故障が発生して稼働が停止すると現場自体が止まってしまい、経営上の大きな損失につながる。そこで、日頃から状態を見守ってトラブルを未然に防ぎ、機械の安定稼働を実現。加えて運用効率向上、適切な時期の部品交換や、点検・修理の提案などによりライフサイクルコスト低減を支援しようという考えのもと生まれたのが、ConSiteだ。
ConSiteでは、機械から得られるビッグデータとICT技術を活用し、機械の状態を監視・解析する。機械を提供する日立建機だけがその情報を活用することを意図していない。機械の安定稼働とライフサイクルコスト低減というお客さまが直面する課題の解決に向けて、必要なタイミングで、必要なサービスや部品などをお客さまに提供するためのツールである。機械の状態監視や中古車の査定、遠隔でのリアルタイム故障診断といった多彩な機能も用意し、それらを通じてお客さまのビジネスを多方面で支援するサービスソリューションとなっている。
ツールと書いたように、ConSite自体は実は手段にすぎない。しかし、単なる手段にとどまらないのがConSiteの大きな特徴だ。日立建機はConSiteによって世界中の機械とお客さま、そのお客さまをサポートする代理店をつなぎ、さらにお客さまを取り巻くさまざまな関係者ともつながり、カーボンニュートラルやサーキュラーエコノミーといった社会課題解決への寄与をめざしている。
その背景にあるのが、ソリューションプロバイダーとしての日立建機の思いだ。日立建機は中期経営計画で「真のソリューションプロバイダーとしての成長」を掲げている。まずはデータ活用による機械の予防保全を中心とする「ソリューション1.0」に始まり、その情報を活用して製品を進化させ、代理店やサプライヤー、工場、部品倉庫等を双方向でつなぐ「ソリューション2.0」へと進み、さらにその先でゼロリードタイム、ゼロダウンタイム、ゼロウェイストレイバーの実現をめざすために、次世代のサプライチェーンを構築して付加価値を生み出す「ソリューション3.0」への挑戦という未来像を描く。そして、その実現に向けた取り組みの起点であり中核となるプログラムが、まさにConSiteなのである。