Solution Linkage 通信
【ConSite Shot編】
北海産業株式会社(北海道苫小牧市)
日立建機のICT・IoTソリューション「Solution Linkage」を導入したことで現場はどう変わったか、経営にどんな影響を与えたか――。
現場のビフォー、アフターをレポートする。
今回のポイント
経験問わず手軽に報告書作成
煩雑な出入庫管理を標準化
紙の報告書ゆえのトラブル解消
お客さまとの信頼感も向上
営業所間の連携がスムーズに
従来の業務負担を大幅に軽減
独自マニュアルを作成し普及・活用を推進
業務の効率化で品質管理への注力が可能に
北海道・苫小牧。国内有数の国際貿易港を抱え、本州各地からのフェリーも寄港し北海道の海の玄関口にもなっている。その苫小牧に本社を置く建設機械レンタル・リース会社の北海産業の創業は、苫小牧港の開港と同じ1963年。昨年、創立60周年を迎えた。
同社の事業エリアは道内全域にわたり、油圧ショベルやホイールローダなどの建設機械だけでなく、工事現場用のハウスやトイレ、発電機・コンプレッサー、足場やフェンスなど、建設現場に必要なありとあらゆる機材・資材のレンタル・リースに対応。建設工事における作業効率化と環境保護の両面で事業を進めるほか、社内DXの推進やSDGsにも積極的に取り組んでいる。
代表取締役社長
伊藤光雄氏
ConSite Shotの導入では社員が主体的にアイデアを出し合い、その活用に積極的に取り組んでくれました。社内の活性化にも役立っています。
手書きだった報告書のデジタル化で煩雑な出入庫管理業務を効率化
レンタル・リース業においては、商品の貸し出しや返却および点検にかかる記録と管理が業務の要となる。北海産業ではこの出入庫点検にかかる作業の効率化が課題となっていた。従来は機材の出入庫時の管理に、手書きの報告書やデジタルカメラで撮影した写真を用いて紙で行ってきた。このやり方だと報告書を作成する人によって書き方がバラバラになりがちなうえ、紙での運用のためデータの整理や管理が難しかった。
この課題解決に一役買ったのが日立建機のスマホアプリ「ConSite Shot」だ。「日立建機から話があったのが2020年ころ。効率的に活用するために1年程度試験運用した後、2022年から道内の営業所すべてに本格導入しました」と導入の経緯を語るのは、同社専務取締役の恵木寛治氏。
「本格導入にあたり、日立建機の資料をベースに自社業務フローに沿った社内向けマニュアルを作成して全営業所に配布、オリエンテーションも実施しました。不明点や疑問点があれば現場を回って説明するなどもしています」と工場長の田川恒一氏が語るように、デジタルツールに不慣れなスタッフでも活用してもらえるような取り組みも行った。そうした普及活動が功を奏して、導入初年度の2022年にConSite Shotを利用した出入庫台数は約2000件、2023年度は3500件に迫る勢いだ。
ConSite Shotの導入で大きく変わったのが、経験を問わず誰でも即座に写真付きの出入庫報告書が作成できるようになったこと。しかもデータはクラウド上に自動的にアップロードされるため、出入庫管理の手間が大幅に削減できた。それによりメイン業務である機械の品質管理により多くの時間を割くことができ、さらにペーパーレス化によりSDGsにも貢献している。
全社導入により情報連携が強化され社内のコミュニケーションも向上
一方で、ConSite Shotはお客さまとの信頼関係の向上にもつながっているという。例えば、出庫時の状態を写真に記録することで、返却時に万が一破損や故障があった場合でもお客さまに納得してもらえる。また、紙の報告書で起こりがちな記入漏れや書き方の不統一などから起こるトラブルも大幅に減少、長期的なパートナーシップの構築に貢献しているという。
また、全社で導入したことにより営業所間の情報連携がスムーズになり、大幅な業務の効率化も実現した。これに加え、ConSite Shotの導入に伴い、スマホやタブレットに苦手意識のあったベテランスタッフを若手スタッフがサポートするなどしてデジタルスキルが向上、世代を超えた社内コミュニケーションを促進する役割も果たした。
「ConSite Shotの導入にあわせて屋外にもWi-Fiを設置したことで、ほかの業務のICT化、社内DXがさらに加速しました。建設機械関連の管理業務というと泥まみれ、油まみれと思われがちですが、これにより、当社における働き方のイメージアップにもつながっています」(恵木氏)。確かにConSite Shotのようなデジタルツールを活用することは、業務の効率化や標準化、それに伴う品質の向上や経費削減はもちろん、顧客や社内の関係性向上、さらには環境保護にも貢献するなど、さまざまな可能性を秘めていると言えそうだ。
専務取締役
恵木寛治氏
ConSite Shot ここがおすすめ
工場長
田川恒一氏
今後はConSite ShotだけでなくConSite全体をさらに活用して、より多くの領域で業務プロセスを効率化し、機械の品質やお客さまへのサービスをますます向上させたいですね。各営業所から集まったConSite Shotのフィードバックをもとに、日立建機とも連携しながら、さらなる成果を上げていきたいです。