日立建機が思い描くのは、「人、機械、現場環境」の情報を相互にやり取りすることで、安全性と生産性の向上を自律的に図ることができる施工現場の姿です。
施工現場内の情報を連携させ、現場全体の安全性と生産性の向上を図ります。機械の位置・稼働の状況、作業員の位置・生体情報、作業が進むことによる地形の変化など、施工現場内のリアルタイムな情報を機械やセンシングシステムで収集。それらを蓄積したデータから施工現場内のリスクを分析し、その結果を共有することで安全性を高めます。また、気象予報などの外部情報も参照し、将来のリスクにも備えます。
建設業においては、生産労働人口の減少や熟練技能者の高齢化を背景として、省人化による生産性の向上が課題となっています。その解決策のひとつとして、自律運転する建設機械や、遠隔操作による作業に期待が寄せられています。 これは、施工現場における機械へのニーズが、「人が思うように操縦する機械」から「人が思ったように作業してくれる機械」に変化していることを表しています。日立建機グループは、こうしたニーズの変化や現場の多種多様な要求への対応を目的として、現場でオペレータが作業時に行っている「認識・判断・実行」を、機械システムが行えるようにするためのシステムプラットフォーム「ZCORE®(ズィーコア)」を開発しました。
「協調安全」とは、施工現場内の「人、機械、現場環境」の情報を共有することで、現場全体の安全性、生産性の向上を図るための概念です。人と機械の位置や状態を「見える化」するだけでなく、その情報に基づいて人に注意を促したり、建設機械の動きを制御することで、サイト全体を安全な方向に導きます。日立建機では、協調安全の実現に向けて、自律稼働する建設機械を「協調型建設機械」と呼び、次世代建設機械のモデルとして構想しています。 (写真は、ZCORE®を適用した協調型建設機械のプロトタイプ機です)
ZCORE®を適用したホイールローダのプロトタイプ機による、自動掘削・積込システムの研究開発を進めています。開発中のプロトタイプ機は、オペレータの指示に基づいて所定の位置で掘削し、自動で経路を走行して目的の位置で積み込むまでの一連の作業を繰り返します。オペレータは離れた位置からパソコンで作業内容を指示し、自動運転中は作業の進捗やシステムの状態を監視できます。
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