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 鉱山現場の自律型オペレーションの実現に向けて

鉱山業界では、温室効果ガスの排出を削減する取り組みのひとつとして、鉱山機械の電動化に関心が高まっています。鉱山現場で稼働台数の多いダンプトラックの電動化への要望に応えるため、日立建機は、2021年6月からABB社と共同でフル電動ダンプトラックの開発に着手。2024年1月に試験機を完成させ、ザンビア共和国のファースト・クォンタム社に向けて出荷しました。試験機の組立が完了し、基本動作を確認したことから、実証試験を開始しました。

超大型油圧ショベル自律運転に向けた開発

日立建機のAHSを搭載したダンプトラックは、グループ会社のWenco International Mining Systems Ltd.(ウェンコ・インターナショナル・マイニング・システムズ社)の鉱山運行管理システムの指示に従い自律走行することで、効率的な配車が可能です。最大100台規模の車両を管制可能な拡張性を持っており、大規模鉱山における自律型オペレーションにも対応可能です。 近い将来、自律運転する超大型油圧ショベルやダンプトラックが他の機器や機械と情報をやりとりすることで、鉱山現場の自律型オペレーションを実現し、安全性と生産性の向上をめざします。

ダンプトラック自律走行システム(Autonomous Haulage System:AHS)

日立建機は、鉱山における超大型油圧ショベルの自律運転に向けたさまざまな技術の開発に取り組んでいます。 まず、さらなるオペレータの労働環境の改善と安全性の向上に貢献する、遠隔操作システムの高度化を進めています。 また、実際の鉱山では、オペレータのきめ細やかな確認と操作により、他の機械・車両との衝突や接触の回避、車体の安定が保たれています。遠隔操作でもそれらを保持するため、運転支援システムの開発を進めていきます。 さらに、掘削や積み込みなどの作業の一部を自動化し、オペレータ1人で複数の超大型油圧ショベルを遠隔操作できるシステムを開発する計画です。 これらの技術を組み合わせ、将来、自律運転機能を有する超大型油圧ショベルをお客さまに提供していきます。

超大型油圧ショベル自律運転に向けた開発

鉱物資源を効率的に掘削するためには、1回動作あたりの掘削量をなるべく多くすることが求められます。一方で、掘削時にバケットの負荷が過大になると、油圧回路の保護機能が働き、フロントアタッチメントの動作が断続的に停止し、作業時間のロスによる生産性の低下や、燃料消費の増大につながります。本機能は、掘削時にフロントの負荷が高くなると、バケット爪先を上方に逃がすよう油圧シリンダーを自動制御。これにより操作に不慣れなオペレータでも、安定した掘削作業が可能になります。

超大型油圧ショベル自律運転に向けた開発

油圧ショベルが、掘削した鉱物資源をダンプトラックに積み込むために旋回する際、フロントアタッチメントが自動で上がり、ダンプトラックとの衝突を回避するよう制御します。本機能により、オペレータは旋回操作のみに集中することができ、オペレータの負担軽減につながります

超大型油圧ショベル自律運転に向けた開発

超大型油圧ショベルの遠隔操作などの機能開発は、日立建機の浦幌試験場(北海道十勝郡浦幌町)で行っています。本試験場は、427haという広大な自社保有地内に位置し、昼夜実験が可能な掘削と走行の試験場です。 鉱山機械は24時間365日さまざまな環境下で稼働するため、時間や気候など環境を変えた試験を行っています。

開発試験場について(浦幌試験場)