鉱山用ダンプトラックの障害物検知を支援する技術を開発
2016年9月26日
全周囲表示装置「Aerial Angle®」の機能を拡充
日立建機株式会社(執行役社長:辻本 雄一)は、鉱山用ダンプトラックの走行、停車および発進時において、障害物をオペレーターが検知することを支援する技術を開発しました。本技術を全周囲表示装置「Aerial Angle®(エアリアルアングル)」に搭載し、2017年3月に発売する予定です。
現在、世界の鉱業を営むお客さまは、安全性を向上させながら、試掘から掘削、生産、加工、搬出、積み出しまでの鉱山におけるサプライチェーン全体の効率化を図ることをめざしており、その実現のため、ICT技術を活用した鉱山機械や鉱山管理システムおよびそれらを組み合わせたソリューションが、鉱山機械メーカーに求められています。
日立建機は、お客さまの鉱山や土木・建設現場における安全性の向上に寄与するため、これまでも鉱山用ダンプトラックおよび油圧ショベル向けに、Aerial Angle®を提供しています。
今回、鉱山用ダンプトラック向けに、日産自動車株式会社およびクラリオン株式会社が共同で開発した「移動物検知機能付きAROUND VIEW MONITOR®(アラウンドビューモニター)のカメラ画像処理技術」を取り入れた「ステーショナリーモード」ならびに、株式会社日立製作所のミリ波レーダの技術を活用した「フォワードモード」を持つ障害物検知を支援する技術を開発し、Aerial Angle®に搭載しました。
具体的には、「ステーショナリーモード」は、鉱山用ダンプトラックの停車時および発進時において、周囲の車両などの移動物がある場合、運転席内のモニター表示やブザー音により、オペレーターに警告するモードです。鉱山用ダンプトラックの前後左右に取り付けたカメラ映像から移動する物体を画像認識することにより、オペレーターに周辺状況の変化を早期に知らせることで、接触事故の発生を減らすことに寄与します。
また、「フォワードモード」は、鉱山用ダンプトラックの走行中、前方の車両に接近した際に、運転席内のモニター表示やブザー音により、その接近をオペレーターに警告するモードです。降雨、降雪、塵やほこりなどの環境下においても性能を発揮するミリ波レーダを採用し、レーダからの情報に基づき、接近距離や相対速度などに従って2種類の警告を発します。オペレーターに危険回避を促すことで、脇見や漫然運転時の前方車両との衝突事故発生を軽減することに寄与します。
今回の技術は、お客さまの課題である「安全性の向上」、「生産性の向上」、「ライフサイクルコストの低減」を解決するため、現在開発を進めているダンプトラックの無人自律運転の要素技術の一部を、有人ダンプトラックに応用したものです。
日立建機グループは、長年培ってきた建設機械の自社技術に加え、日立グループの強みであるICTや制御およびIoTの技術を活用する「One Hitachi」の取り組みと、オープンイノベーションを推進しています。身近で頼りになるパートナーとして、お客さまの課題を解決するソリューション「Reliable solutions」をお客さまと協創し提供していきます。
■「Aerial Angle®」の機能説明
1. ステーショナリーモード
2. フォワードモード
■商標注記
・「AROUND VIEW MONITOR」は、日産自動車株式会社の登録商標です。
・「Aerial Angle」は、日立建機株式会社の登録商標です。
以上
ニュースリリース記載の内容は、発表日現在の情報であり、その後予告なしに変更される場合もありますので、ご了承ください。