日立建機と日立ソリューションズが土木施工現場の進捗管理を支援する新たなサービスの提供を開始
2018年7月11日
スマートフォンで対象の動画を撮影するだけで、簡単に土量を計測
日立建機株式会社(本社:東京都台東区、執行役社長:平野 耕太郎/以下、日立建機)と株式会社日立ソリューションズ(本社:東京都品川区、取締役社長:星野 達朗/以下、日立ソリューションズ)は、土木施工現場の生産性を向上するため、スマートフォンの動画撮影機能などを活用し、土木工事の作業により発生する土の体積(以下、土量)を、簡便かつ定量的に把握することができるサービスを共同で開発しました。
本サービスは、2018年10月より、日立建機からは「Solution Linkage® Survey(ソリューション リンケージ サーベイ)」として、日立ソリューションズからは「GeoMation® スマートフォン活用3D計測ソリューション」として、提供を開始する予定です。
本サービスは、日立建機の持つ施工現場のノウハウや現場ニーズの把握力と、日立ソリューションズの位置情報に対する技術力、課題解決力を組み合わせた協創により開発したものです。土木業を営むお客さまからの要望である、施工現場の日々の進捗管理における手間やコストを抑えるサービスです。通常、専用機器や専門的な知識、経験が必要な土量の計測を、高精度な位置情報の取得を可能にするネットワーク型RTK測位法(VRS方式)*1 の技術や、クラウドコンピューティングを活用した専用のアプリケーションで実現します。
具体的には、現場管理者が、スマートフォンの専用アプリケーションで計測対象を動画撮影するだけで、高精度な位置情報が付いた画像データが自動で生成されます。その画像データに基づき、クラウド上で3次元データを生成し、現場管理者のスマートフォンに送信することで、現場管理者は、スマートフォン上で3次元データから土量を計測することができます。
本サービスを利用することで、これまで、目視により定性的に把握していた土量を、日々定量的に把握することが可能となり、現場管理者は、より的確な進捗管理に基づく段取りの検討などが行えるようになることで、土木施工現場の生産性の向上に寄与します。
日立建機と日立ソリューションズは、日立建機がICT・IoTソリューション「Solution Linkage®」を、日立ソリューションズがIoT機器と位置情報を活用した「建築・土木業向けスマートインフラソリューション」を提供するとともに、今後、両社の協業により新たなサービスを創造し、土木・建設業に携わるお客さまの課題である「安全性向上」や「生産性向上」、「ライフサイクルコスト低減」の解決に貢献していきます。
*1: ネットワーク型リアルタイムキネマティック測位法(VRS方式)。3点以上の電子基準点から取得した補正観測データから仮想基準点を設定し、新点(移動局)で取得されたGNSS電波を使って、瞬時に新点の座標値を計算する観測手法。
「Solution Linkage® Survey」および「GeoMation® スマートフォン活用3D計測ソリューション」の概要図
背景
土木・建設業界では、生産性の向上を図るため、現場にICTを活用する取り組みが加速しています。
生産性を向上させるためには、工事の進捗管理は重要で、土木工事においては、土量を日々定量的に把握することが必要です。しかしながら、これまでは現場管理者の目視により定性的に管理されてきました。
近年、ICT施工の進展により、起工測量や検査などの工程では、UAV*2 やレーザースキャナによる測量が活用されるようになっていますが、日々の進捗管理のためには、手間およびコストの面で、これらの方法による土量の計測は限定的で、お客さまからは、安価で手軽に計測する手段が求められています。
*2: Unmanned Aerial Vehicleの略で、無人で飛行する航空機の総称。
「Solution Linkage® Survey」 および「GeoMation® スマートフォン活用3D計測ソリューション」の特長
- 専用の測量機器は不要
必要な機器は、動画撮影と計測結果の確認に必要なAndroid® OS搭載のスマートフォンと、高精度に撮影位置情報を取得するためのGNSSアンテナのみです。専用アプリケーションのダウンロードおよびネットワーク型RTK(VRS)補正データ配信サービスの契約をすることで、利用が可能となります。
- スマートフォンで対象の動画を撮るだけ
現場での作業は計測対象の動画の撮影のみで、測量の専門的な知識を有してなくても短時間で簡単に行うことができます。また、ネットワーク型RTK(VRS)の技術を活用し、撮影した動画から高精度な位置情報が付いた画像データを生成します。
- 進捗情報を現場で確認
スマートフォンから送付された画像データをクラウド上で処理し、3次元データの生成と土量の算出をします。現場管理者は、現場にいながら、計測対象の3次元データと土量の計測結果を確認できます。
今後の展開
2019年春に、本サービスで計測した3次元データと3次元の設計データの比較結果をスマートフォンで確認できる機能の提供を計画しています。
展示会出展のお知らせ
本サービスを、国土交通省が推進する「i-Construction」の取り組みを支援することを目的に開催される「i-Construction推進展(2018年7月18日(水)から20日(金)、場所:東京ビッグサイト)」および「建設・測量生産性向上展「CSPI-EXPO」(2018年8月28日(火)から30日(木)、場所:幕張メッセ)」の日立建機ブースで紹介します。
■商標注記
- Androidは、Google LLCの登録商標です。
- Solution Linkageは、日立建機株式会社の登録商標です。
- GeoMationは、株式会社日立ソリューションズの登録商標です。
- その他記載の会社名、製品名は、それぞれの会社、団体の商号もしくは登録商標です。
以上
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