マシンコントロール機能「Solution Linkage Assist」を搭載した ICT油圧ショベルZX135USX-6を発売
2018年7月18日
日立建機株式会社(執行役社長:平野 耕太郎/以下、日立建機)は、このたび、ICT施工ソリューションの中核を担う、新型ICT油圧ショベルZX135USX-6(標準バケット容量0.5m3、運転質量13.9t)を開発しました。
2018年7月より、日立建機日本株式会社(取締役社長:榎本一雄)のレンタルを通じて国内のお客さまへの提供を開始し、2018年10月から販売を開始する予定です。
本製品は、「特定特殊自動車排出ガスの規制等に関する法律(以下、オフロード法)」2014年基準に適合した油圧ショベルです。2017年に発売した20tクラスのICT油圧ショベル「ZX200X-6」の機能を踏襲しながら、13tクラスの後方超小旋回型の特徴を生かし、国土交通省が推進するi-Constructionに対応するとともに、建築基礎、宅地造成、圃場整備などのさまざまな現場でのICT施工の支援を実現します。
日立建機独自のマシンコントロール機能である「Solution Linkage Assist(ソリューションリンケージ アシスト)」を搭載しており、GNSS*受信機から得た機械の位置情報やバケット爪先の3次元情報を基に、3D(3次元)施工データに従って機械のフロント(ブーム、アーム、バケット)をリアルタイムで半自動制御し、施工目標面を掘り過ぎることなく、効率的な作業が可能となります。
本製品により、従来の建設現場で行われていた丁張りや検測作業などの作業工程を大幅に削減、工期の大幅な短縮を図ることができるとともに、お客さまの現場の安全性や生産性の向上に貢献します。
また、2D(2次元)マシンコントロール仕様も用意し、小規模な工事や、測位衛星を捕捉できないような建設現場においても、2Dのマシンコントロールが、現場作業の生産性を大きく引き上げます。さらに、3D機能専用機器を追加装備することで、2Dマシンコントロール仕様を購入後でも、3Dマシンコントロール仕様へアップグレードすることを可能にし、お客さまの事業に合わせたICT油圧ショベルの仕様の選択を実現しました。
販売目標は、国内向けに年間100台を見込んでいます。
*GNSS(Global Navigation Satellite System): 衛星測位システム。
主な特長
- 日立建機独自のマシンコントロール機能「Solution Linkage Assist」を搭載
- 日立建機独自のマシンコントロール機能「Solution Linkage Assist(ソリューション リンケージ アシスト)」を搭載しています。13tクラスの後方超小旋回型の特徴を生かし、土木工事に加え、建築基礎、宅地造成、圃場整備などのさまざまな現場でのICT施工の支援を実現します。
- 速度優先で、レバー操作に応じた速度で作業できる「粗掘削モード」と、速度を制限し精度優先で作業する「仕上げモード」があり、作業に応じて切り替えすることが可能です。
- バケットの角度を一定に保つ「バケット角度保持モード」によって、バケットの複雑な操作を気にすることなく、ブームとアームの操作のみで法面などを仕上げることが可能となり、作業の効率化と安定した作業品質を実現しています。
- フロントを操作した際に、バケットの先端が施工目標に沿って掘り過ぎないよう制御する「掘り過ぎ防止機能」により、正確で効率的な掘削が可能です。
- ブーム、アーム、バケット、車体の姿勢センサに慣性計測装置、角度・加速度を検出するIMU(Inertial Measurement Unit)センサを採用することで、高精度で、高応答性なガイダンス性能の向上を実現しています。
また、IMUセンサは防塵や防水性、耐久性を兼ね備えており、さまざまな現場への対応を可能にしています。
- 時代にマッチした環境性能と経済性
- オフロード法2014年基準に適合しています。また、国土交通省の燃費基準を達成しています。建設機械認定制度において、「2020年燃費基準 100%達成建設機械☆☆☆(三ツ星レベル)」に適合しています。
- 粒子状物質(PM)と窒素酸化物(NOx)排出量を大幅に低減するため、「尿素SCRシステム」を採用しています。従来機のPM除去フィルタを廃止し、定期的な清掃や交換が不要となり、長期的な保守管理費用の低減につながります。
- マルチファンクションモニタにて任意に設定した時間でエンジンが停止する「オートアイドリングストップ機能」を標準装備し、無駄な燃料消費を抑制します。
- 生産性向上
- 国土交通省が推進するi-ConstructionをはじめとするICT施工に最適なソリューションを提供するクラウドソリューションサービスである「Solution Linkage Cloud(ソリューション リンケージクラウド)」と連携し、ICT施工に役立つさまざまなアプリケーションにアクセスすることができ、お客さまの生産性向上に寄与します。
- 10.1インチの大型ディスプレイの採用により、表示内容の視認性向上を実現しています。さらに、防水・防塵性を兼ね備え、軍手等でも操作できるタッチパネルディスプレイを採用したことでさまざまな現場に対応しています。
- 工事規模や種類を考慮し、2Dまたは3Dの2つの仕様に選択が可能で、2D仕様は、3D機能専用機器を装備することで、2D仕様から3D仕様へのアップグレードを可能にしています。
- 2つのポンプのそれぞれに電磁弁を追加した最新油圧システム「HIOS IV」システムを採用し、各部位に応じた油量の調整をすることで、オペレータのレバー操作に応じてポンプの流量を細やかに制御することを可能にし、高い操作性を実現しています。
- 燃料とともに尿素水の残量をマルチファンクションモニタで確認でき、稼働状況に合わせた補給を可能にしています。
- 安全性向上
- 車体上部にハンドレールを設置し、広範囲に大きく開くことができる全開式エンジンカバーの採用により、メンテナンス作業時の安全性およびメンテナンス性を向上しています。
- バッテリを電気系統から遮断できる、「バッテリディスコネクトスイッチ」を新たに搭載し、メンテナンス中の感電事故のリスクを低減します。
- 車体の両サイドの映像をキャブ内モニタに表示する「サイドビューカメラシステム」をオプション設定することで、機械の周囲状況確認を容易にしています。
- ライフサイクルコスト低減
- ZAXIS-5シリーズよりお客さまに好評のサービスソリューションである「ConSite(コンサイト)」を用意。パワートレインを含む無償延長保証、無償メンテナンスが付帯しています。
また、お客さまのご希望に合わせ、データレポート、有償延長保証、VALUE PACK Fiveなどの各種有償サービスを用意しています。
- ZAXIS-5シリーズよりお客さまに好評のサービスソリューションである「ConSite(コンサイト)」を用意。パワートレインを含む無償延長保証、無償メンテナンスが付帯しています。
- その他
- 本製品は、日本の衛星測位システムである準天頂衛星システム「みちびき」QZSS(Quasi-Zenith Satellite System)を含むマルチGNSSに対応しています。
日立建機グループでは、さまざまなビジネスパートナーとのオープンイノベーションによる連携や、日立グループの強みであるICTや制御およびIoTの技術を活用する「One Hitachi」の取り組みを推進し、お客さまとともに課題を解決するICT・IoTソリューション「Solution Linkage」を提供しています。
主な仕様
主な仕様 | |
項目 | ZX135USX-6(3Dマシンコントロール) |
標準バケット容量 (m3) | 0.5 |
運転質量 (t) | 13.9 |
エンジン定格出力 (kW/min-1) | 74.9/2,000 |
最大掘削半径 (mm) | 8,390 |
最大掘削深さ (mm) | 5,490 |
最大掘削高さ (mm) | 9,290 |
最大ダンプ高さ (mm) | 6,830 |
最大掘削力(昇圧時) (kN) | 104 |
旋回速度 (min-1) | 13.3 |
走行速度 (km/h) | 5.5/3.3 |
全長 (mm) | 7,370 |
全幅 (mm) | 2,490 |
全高 (mm) | 2,870 |
後端旋回半径 (mm) | 1,490 |
最低地上高さ (mm) | 410 |
標準小売価格 (万円) | 3,200 |
注)単位は国際単位系SIによる表示。価格は工場裸渡し、消費税別。
以上
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