営業・サービス員向けアプリ「ConSite® Navi」を活用してサービス品質を向上
2020年7月2日
グループを横断して、デジタル技術を活用した業務改革を推進
日立建機株式会社(本社:東京都台東区、執行役社長:平野 耕太郎/以下、日立建機)は、デジタルトランスフォーメーション(以下、DX)を進めるため、業務改革を本年度より本格的に推進しています。その一環として、日立建機の子会社で、国内の建設機械の販売や部品・サービス事業などを担う日立建機日本株式会社(取締役社長:榎本 一雄/以下、日立建機日本)は、営業・サービス員のタブレット端末専用アプリ「ConSite® Navi」を開発し、4月1日より全国で活用を開始しました。
「ConSite® Navi」は、日立建機日本が独自に開発した営業・サービス員向けのタブレット端末専用アプリです。2018年8月から2019年1月にかけて、日立建機日本が、デジタル技術を活用した業務改革のアイデアとして開発し、その後、教育推進を行い、今年度より本格的な運用を始めました。具体的には、これまで個別に管理されていた「ConSite®」*の機械情報と、日立建機日本の営業・サービス員の訪問履歴、修理履歴、担当者個人の訪問スケジュールなどの情報をリアルタイムに同期して地図上で表示することで、営業拠点の営業・サービス員が効率よくスピーディーにお客さまをサポート、訪問することが可能になりました。
日立建機が「ConSite®」のデータと日立建機日本の営業システムをつなぐインターフェースを提供することで、「ConSite® Navi」で双方の情報を活用できるようになりました。これまで個別に管理されていたデータを連携することで、日立建機グループ内で業務改革が促進されます。
*IoTを活用し、建設機械の稼働・位置情報などのビッグデータを蓄積するGlobal e-Service®(グローバル イー サービス)のデータに基づく。
「ConSite® Navi」の効果
営業・サービス員個人の経験を問わず、効率よくお客さまの現場への訪問とアプローチを行い、コミュニケーションを図ることができるようになりました。これにより、2019年度の日本国内における稼働機械のメンテナンスの実施台数や、これに伴う部品・サービスの受注額が、前年度に比べてそれぞれ約1.2倍に増加しました。
事例1:離島のお客さまとのコミュニケーションが円滑に
離島のお客さまへの訪問は長距離移動が伴うため、本島のお客さまと比べ訪問回数が少なく、営業所Aの担当者自身もお客さまとのコミュニケーション不足を実感していました。
状況を改善すべく、「ConSite® Navi」を用いて島内のお客さまのすべての機械の稼働状況を調査しました。年式の古い機械を中心に「ConSite® Shot」で写真付きの点検レポートを作成し、その場でお客さまや販売店に報告しました。効率よく島内の機械を点検することで、お客さまからは「最近よく来てくれるね」とお声がけいただき、顧客満足度の向上につながりました。結果として、営業所Aの2019年度のメンテナンスや消耗品の取引社数、受注件数ともに前年度に比べてそれぞれ約1.2倍増加しました。
事例2:効率的な訪問ルートを策定し、点検レポートで機械の故障を予防保全
2018年度上期、営業所Bの担当エリアで、日立建機の機械を多数保有かつ複数の現場で施工されているお客さまがいらっしゃいました。複数の現場には、「ConSite® Navi」 を活用して一番効率的なルートで訪問しました。訪問時には、定期レポートに加えて「ConSite® Shot」で保有機械の点検の結果も報告しながら、日々のメンテナンスの重要性を伝えたり、機械が壊れてしまう前の適切なタイミングで修理や部品交換を行いました。
こうして機械の故障を未然に防ぐことで、2019年上期の緊急修理件数は4割減となりました。機械の休車も減少し、お客さまには大変喜んでいただきました。営業所Bにおける「ConSite® Shot」を使ったお客さまへのサービス提案数は、2019年度は前年度に比べて約1.2倍に増加しました。
事例3:お客さまの業種にとらわれずに、ニーズに沿ったご提案を実現
営業所Cの担当エリアで、一般的な土木業のお客さまに比べて、林業や他業種のお客さまへの訪問回数が低迷している事例がありました。そこで、「ConSite® Navi」を活用して機械の稼働場所と巡回ルートを確認し、効率的な訪問活動に取り組みました。「ConSite® Shot」も併用し、点検レポートに基づいた修理や部品交換の提案を行いました。
お客さまへのヒアリングを続けたところ、より長く機械を使うための方法や、修理や部品の交換にかかる費用を知りたいなどのご相談をいただき、ニーズをうかがった上でのご提案ができるようになりました。結果として、営業所Cの土木業以外の業種における2019年度上期の緊急修理件数は、前年同期に比べて6割減少しました。予期せぬ機械の休車を防ぐことで、より安心してお客さまに作業していただけるようになりました。
建設機械は、土木のほか、資源採掘、港湾、林業、建物解体などのさまざまな用途で活用されており、お客さまの機械の状態や仕様も多種多様です。日立建機グループは、今後もお客さまの課題を解決するべく、DXを推進して事業に活用し、より良いソリューションの提供をめざします。
参考資料
「ConSite®」のサービスメニュー
日立建機グループは、ICTを活用してお客さまの機械を見守り、安定稼働に貢献するサービスソリューション「ConSite®」を提供し、お客さまの課題であるライフサイクルコスト低減に貢献してきました。24時間365日、遠隔でのオイルモニタリングを実現した「ConSite® OIL」をはじめ、サービス員がその場で写真付きの点検レポートを作成できる「ConSite® Shot」、いつでもどこでも部品発注が可能なシステム「ConSite® Parts Web Shop」など、サービスメニューの拡充を継続してきました。
「ConSite® API」で日立建機グループ内の情報を有効活用
日立建機は、セキュリティーレベルを保ちながら「ConSite®」のデータを、他のデータベースやアプリケーションと組み合わせることを可能とする「ConSite® API(Application Programming Interface)」を開発し、さまざまなサービスメニューを提供しお客さまのサポート向上に努めてまいりました。今後も、「ConSite® API」を活用したアプリケーションの開発やソリューションの提供を通じ、建設機械メーカーならではのDXを推進していきます。
■商標注記
・Global e-ServiceおよびConSiteは、日立建機株式会社の登録商標です。
以上
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