豪スタートアップのバラハ社に出資
2021年3月25日
オープンイノベーションでAHSの高度化や超大型油圧ショベルの自律化を加速
日立建機株式会社(本社:東京都台東区、執行役社長:平野 耕太郎/以下、日立建機)は、3月、オーストラリアのスタートアップBaraja Pty Ltd(本社:オーストラリア シドニー/以下、バラハ社)に出資しました。日立建機は同社への出資を通じて、バラハ社が有するLiDAR*(ライダー)技術を活用し、ダンプトラック自律走行システム(AHS)の高度化や超大型油圧ショベルの自律化に向けた開発のスピードを加速させます。
近年、鉱山機械の自動・自律化や電動化の動きが加速しており、また、鉱山機械だけでなく鉱山全体のオペレーションを効率化・最適化するソリューションのニーズが高まっています。このような中、日立建機では、AHSや鉱山現場の課題解決に貢献する「ConSite® Mine」を開発するなど、鉱山向けのソリューションを強化して参りましたが、さらにその動きを加速させるため、高度な自動運転に必須の技術であるLiDARを提供するバラハ社に出資することに致しました。
日立建機は、今回の出資を通してバラハ社と密に連携し、鉱山現場仕様のLiDAR 製品の開発の加速と、現地サポートの強化を実現することが可能となります。
バラハ社のLiDAR製品「スペクトラムスキャン™」は、プリズムのような光学系のセンサーヘッドを用いることによって、3次元方向から広範囲、高精細に対象物までの距離を測定でき、機構上可動部が少ないため、耐久性が高い点が特長です。鉱山での稼働実績があり、鉱山環境での稼働に多くのノウハウを有しているため、その技術力を日立建機の自動・自律化の開発に活用することが最適と考えております。
日立建機グループは、これまでも日立グループの幅広い技術を結集する「One Hitachi」の取り組みや、2020年4月にスタートアップとの連携を強化する「ベンチャービジネス投資推進プロジェクト」を発足するなど、社外の技術やサービスを用いて新しい価値を創り出す「オープンイノベーション」を進めてきました。今後も、世界中の鉱山業界のお客さまに、ICT、IoTを活用したソリューション「Solution Linkage🄬」を提供し、お客さまの求める、より高い安全性と生産性の向上に貢献していきます。また、今回のバラハ社への出資のような事業戦略上必要となるスタートアップとの出資など、オープンイノベーション活動も加速させていきます。
* LiDAR…Light Detection And Rangingの略。レーザー光を対象物に照射し、その反射光をセンサーで捉え、物体の形状や対象物までの距離を検知する技術。
日立建機 執行役常務兼CTO、研究・開発本部長兼顧客ソリューション本部長 福本 英士のコメント
バラハ社のLiDAR製品「スペクトラムスキャン™」 は、ますます高い安全と生産効率を求める鉱山のお客さまに、高度な自動運転のソリューションを提供するための必須のデバイスです。このたび、この分野で最先端の技術を持つバラハ社と連携することができたのはこの上ない喜びです。単なる出資関係にとどまらず、地形の計測や障害物の検知など双方の技術力向上と製品化加速につながると期待しています。
日立建機は今回の出資を通して、AHSの高度化、超大型油圧ショベルの遠隔・自律運転の実用化を加速させるとともに、土木建設分野にも応用を拡大していきます。また、今回のようなデジタル分野のオープンイノベーションの取り組みも合わせて強化していきます。
バラハ社 CEO Federico Collarte(フェデリコ コラルテ)のコメント
従来のLiDAR技術は、認識する範囲、解像度など、パフォーマンスの低さが課題になっていました。私たちのLiDAR製品「スペクトラムスキャン™」は、建設・鉱山機械メーカーの日立建機などのパートナーが実際の現場で実証した信頼性を提供します。今回の出資と、日立建機との継続的なパートナーシップにより、鉱山現場に適した、より高度な自律運転の早期実現に向けて、私たちのミッションを推進していきます。
バラハ社の概要
社名 | Baraja Pty Ltd |
事業内容 | リモートセンシング技術によるLiDARの開発・販売 |
代表者 | CEO: Federico Collarte |
本社 | オーストラリア ニューサウスウェールズ州シドニー |
設立 | 2015年 |
従業員 | 130名(2021年3月末時点) |
ウェブサイト | https://www.baraja.com/ |
商標注記
- ConSite とSolution Linkageは、日立建機株式会社の登録商標です。
関連情報
- 2021年3月25日発表 バラハ社ニュースリリース(英語のみ)
以上
ニュースリリース記載の内容は、発表日現在の情報であり、その後予告なしに変更される場合もありますので、ご了承ください。