欧州市場で5tクラスのバッテリー駆動式ミニショベルを受注開始
2022年4月13日
バッテリー駆動式の製品ラインアップを拡充し、建設現場のゼロエミッション化に貢献
日立建機株式会社 (執行役社長:平野 耕太郎/以下、日立建機)の連結子会社である株式会社日立建機ティエラ(取締役社長:一村 和弘)は、5tクラスのバッテリー駆動式ミニショベルZX55U-6EBを開発し、欧州市場向けに2022年6月より受注を開始します。
日立建機グループでは、電動化需要の高まりに応えるため、2020年より発売中の8tクラスZE85*に加えて、今回、受注開始をする5tクラスZX55U-6EBを欧州市場に投入することで、バッテリー駆動式の製品ラインアップを拡充し、建設現場のゼロエミッション化に貢献してまいります。
近年、地球温暖化対策や低炭素社会の実現に向け、世界各国・地域で環境規制が強化されています。建設機械業界でも、自動車業界と同様に、稼働時に二酸化炭素などの排出ガスを出さない電動化建機に対する期待が高まっています。特に欧州市場を中心に過密な都市部の工事で使われる油圧ショベルでは、バッテリー駆動式の電動化建機へのニーズが高まりつつあります。
日立建機は、電動化建機の開発・製造に、早い時期から取り組んできました。作業現場の環境改善を目的に2000年代にバッテリー駆動式ショベルを市場導入したのに加え、中小型の有線式の電動ショベルは、主に日本市場で累積100台以上の納入実績があります。また、お客さまのランニングコスト低減を目的としたマイニング分野でも世界各地の鉱山現場に多くの有線電動式の超大型油圧ショベルの納入実績があります。
今回、受注を開始するバッテリー駆動式ミニショベルZX55U-6EBは、狭小地でも作業効率の良い後方超小旋回型ミニショベル(5 tクラス)をベースとした点と、バッテリー電源と商用電源を併用できる点が大きな特長です。ミニショベルの特長を最大限に生かせるよう、バッテリー・システムの小型化と商用電源の併用による長時間稼働を実現しました。また、ディーゼルエンジン式に比べて、定期的に点検・交換が必要なエンジンオイル・エンジンオイルフィルタが不要なため、メンテナンスコストやダウンタイムの低減に貢献します。
さらに通信端末を標準装備し、バッテリーの充電状態や機械の位置情報を確認できるだけでなく、電動システムの異常を監視します。機械の安定稼働とライフサイクルコスト低減に寄与します。
なお、日本ではZX55U-6EBを販売しませんが、日立建機のICTデモサイトにプロトタイプ機を設置し、日本のお客さまのニーズや市場調査に活用する予定です。
日立建機グループはこれからも、お客さまの課題である「安全性向上」「生産性向上」「ライフサイクルコスト低減」の解決と、環境負荷の低減を図る高付加価値の技術・製品開発に取り組んでいきます。
* ZE85は、日立建機の持分法適用会社European Application Center GmbHが開発・販売している電動建機です。European Application Center GmbHは、日立建機と欧州地域における代理店Kiesel社のグループ会社KTEG社が、2018年に建設機械の電動化および応用開発製品の開発を行うために設立しました。
ZX55U-6EBの主な仕様
項 目 | ZX55U-6EB | ||
バケット容量 | m3 | 0.14 | |
輸送時寸法 | 全長 | mm | 5,520 |
全幅 | mm | 2,000 | |
全高 | mm | 2,530 | |
後端旋回半径 (バッテリー/商用) | mm | 1,100/1,860 | |
機械質量 | kg | 5,200 | |
モーター出力 | kW | 33 | |
バッテリー容量 | kWh | 39 |
関連情報
2019年12月9日
日立建機について
日立建機は、油圧ショベル、ホイールローダ、道路機械、鉱山機械などの開発・製造・販売・サービスの事業をグローバルで展開している建設機械メーカーです。新車販売以外の事業である部品・サービス、レンタル、中古車、部品再生などの「バリューチェーン事業」の強化に注力し、デジタル技術を活用することで、お客さまとのあらゆる接点において提供するソリューションを深化させています。世界に約25,000人の従業員を擁し、2020年度(2021年3月期)の連結売上収益は8,133億円、海外売上収益比率は約75%です。
詳しくは、日立建機のウェブサイトをご覧ください。
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