リーダレス型基礎機械RX3300-7を受注開始
2023年7月31日
15年ぶりにモデルチェンジし、作業性・安全性を向上
日立建機株式会社(執行役社長:先崎 正文/以下、日立建機)は、「特定特殊自動車排出ガスの規制等に関する法律」2014年基準に申請予定の、杭打ち工事などに用いられるリーダレス型基礎機械RX3300-7(運転質量39.8t)を、日本国内向けに8月1日より受注開始します。従来モデルRX3300-3から15年ぶりのモデルチェンジとなります。
基礎機械とは、スクリュを回転させるオーガや、矢板などを振動させて地中に貫入させるバイブロハンマを用いて、建物の基盤となる杭の設置や柱状の土質改良、土が崩れるのを防ぐための土留め用の矢板の打設・引き抜きなどに使用される建設機械です。
基礎機械では、スクリュや杭などの打設・引き抜き時の角度をガイドする「リーダ」をフロント部分に備えるタイプが一般的です。しかし、リーダの設置や撤去にはクレーン作業が必要になる場合があるほか、フロント先端に重量のあるリーダを備えるため、アームが伸ばせず作業範囲が狭くなってしまいます。日立建機のリーダレス基礎機械RXシリーズは、多関節のフロントを備えており、そのうち2本のアームを独自技術で制御します。1本のレバー操作でアーム先端を水平・垂直に移動させることが可能で、リーダ無しで高い精度でスクリュによる掘削や杭の打設を行うことができます。リーダレスのためクレーン作業が不要となるほか、広い作業範囲の確保や柔軟なフロント姿勢での作業が可能で、狭小地や高さ制限のある場所、段差のある現場にも対応します。
主な特長
1本のレバーでアーム先端を水平・垂直に制御可能
日立建機の独自技術により、スクリュや杭などの打設・引き抜きの角度を設定すると、それぞれのアームを個別に操作することなく、一本の操作レバーでアーム先端を直線的に移動できます。これにより、簡単な操作で精度の高い杭打ち作業を実現可能で、壁際や高さ制限のある狭い場所などでの作業性を高め、オペレータの疲労を軽減します。
現場に応じてさまざまな作業に対応
油圧システム「TRIASⅢ(トライアス スリー)」により、フロント動作速度が大幅に上昇し、シリンダ力の強化により引き抜き能力も平均で22%向上しました*。アームの高さ制限機能を装備し、架線などがある場所、橋や高速道路の高架下など、高さ制限のある狭い現場での作業を容易にします。また、地盤に対して垂直な施工だけでなく、最大30度まで任意の斜杭角度を設定することが可能です。地盤改良工法など、スクリュ先端の移動速度を一定速度に保つ必要がある作業の場合も、自動制御で簡単に操作できます。
*従来機RX3300-3のファーストアーム(機体に一番近いアーム)が96度時の比較
安全性と操作性を向上
標準搭載の周囲環境視認装置「AERIAL ANGLE(エアリアル アングル)」により、機体周囲を映像で確認することが可能です。また、RX3300-7の運転室にはISO基準に準拠した天窓・前面ガードを備えており、安全性の向上に寄与します。運転室内のモニタにRXシリーズ専用の情報を集約して表示し、フロント先端位置などの機械状態を確認できるほか、使用するアタッチメントに合わせて油圧の圧力・流量調整や各種制御を設定することも可能です。
日立建機グループは、「人と機械の最適な関係」をめざし、引き続きお客さまの課題を解決するソリューション「Reliable Solutions」をお客さまと協創し、「安全性向上」「生産性の向上」「ライフサイクルコスト低減」に貢献していきます。
主な仕様(標準クローラ仕様)
項目 | RX3300-7 | |
運転質量 | t | 39.8 |
エンジン定格出力 | kW/min-1 | 210/1,900 |
旋回速度 | min-1 | 6.9 |
走行速度(高/低) | km/h | 5.0/3.2 |
登坂能力 | % | 36 |
クローラ全幅 | mm | 3,190 |
キャブ全高 | mm | 3,290 |
後端旋回半径 | mm | 3,600 |
垂直軌跡速度 | m/min | 13~15 |
垂直軌跡精度 | mm | ±50 |
補助ウィンチ 定格ラインプル | kgf | 2,000 |
補助ウィンチ 巻上・巻下ロープ速度 | m/min | 26 |
標準小売価格 | 万円 | 8,214.5 |
注)単位は国際単位系(SI)による表示。価格は工場裸渡し、消費税別。
商標注記
AERIAL ANGLEは、日立建機株式会社の登録商標です。
日立建機について
日立建機は、油圧ショベル、ホイールローダ、道路機械、鉱山機械などの開発・製造・販売・サービスの事業をグローバルで展開している建設機械メーカーです。新車販売事業に加えて、部品・サービス、再生(部品・本体)、レンタル、中古車の「バリューチェーン事業」を拡大し、革新的なソリューションをお客さまに提供する真のソリューションプロバイダーとして、お客さまと共に成長をめざします。世界に約25,000人の従業員を擁し、2022年度(2023年3月期)の連結売上収益は1兆2,795億円、海外売上収益比率は82%です。詳しくは、日立建機のウェブサイトをご覧ください。
以上
ニュースリリース記載の内容は、発表日現在の情報であり、その後予告なしに変更される場合もありますので、ご了承ください。