計画から施工までを一元管理するシステムと接続し、油圧ショベルによる自律運転の共同実験を実施
2024年3月25日
施工会社のシステムと建設機械を接続する汎用的なインターフェースを構築
日立建機株式会社(執行役社長:先崎 正文/以下、日立建機)は、2023年11月14日から2024年3月21日にかけて、計画から施工までを一元管理するシステム上で、油圧ショベルが自律運転で掘削作業を行う共同実験を、前田建設工業株式会社(代表取締役社長:前田 操治/以下、前田建設)と株式会社イクシス(代表取締役 Co-CEO:山崎文敬、狩野高志/以下、イクシス)と行いました。共同実験を通して、日立建機は、施工会社のシステムと油圧ショベルを接続する汎用的なインターフェースを構築しました。
昨今、建設業界では、少子高齢化や技能労働者不足といった問題に対応するため、建設機械の自律運転技術の開発が進められています。自律型建設機械が多様な施工現場で稼働するためには、施工計画や施工管理のシステムと自律型建設機械を接続させる必要があります。さらに、自律型建設機械を普及させるためには、施工会社を問わず、接続できる汎用的なインターフェースが必要です。
日立建機は、「人、機械、現場環境」の情報を相互に共有することで、人と機械が「協調して」働き、安全性と生産性を両立する「協調安全」の施工現場の実現をめざしています。具体的には、機械やセンシングシステムで収集した情報*に基づいて、人への注意喚起や建設機械の制御を行い、現場全体を安全な方向に導きながら生産性の高い施工を行います。このような現場を実現するため、2020年8月には自律型建設機械向けシステムプラットフォーム「ZCORE(ズィーコア)」を開発しました。
*建設機械の位置・稼働情報、作業員の位置・生体情報、作業進捗による地形の変化、気象予報などのさまざまな情報。
今回の共同実験では、前田建設が開発したBIM/CIMデータに基づき計画から施工まで一元管理するシステムと、複数の自律型建設機械を接続する最適なインターフェースを検証することができました。今後、日立建機は、特定の施工会社に関わらず多様な施工会社のシステムと接続できるように、インターフェースの改良と自律型建設機械の開発を推進していきます。
共同実験の概要
1.実施時期
2023年11月14日~2024年3月21日
2.場所
前田建設 ICI総合センター(茨城県取手市寺田5270)
3.内容と役割分担
(1)BIM/CIMデータ(工事全体の施工計画モデル)から、油圧ショベルの作業内容を具体化した「作業計画モデル」を自動生成・・・前田建設
(2)「作業計画モデル」を基に、複数の油圧ショベルに対して作業を指示
(指示の例:Aの範囲の土を掘って、Bの範囲に移す)・・・前田建設、イクシス
(3)油圧ショベルが、指示された内容に沿って自律運転で掘削作業を実施・・・日立建機
関連情報
日立建機について
日立建機は、油圧ショベル、ホイールローダ、道路機械、鉱山機械などの開発・製造・販売・サービスの事業をグローバルで展開している建設機械メーカーです。新車販売事業に加えて、部品・サービス、再生(部品・本体)、レンタル、中古車の「バリューチェーン事業」を拡大し、革新的なソリューションをお客さまに提供する真のソリューションプロバイダーとして、お客さまと共に成長をめざします。世界に約25,000人の従業員を擁し、2022年度(2023年3月期)の連結売上収益は1兆2,795億円、海外売上収益比率は82%です。詳しくは、日立建機のウェブサイトをご覧ください。
以上
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