油圧ショベル1台で多用途に活用できるアタッチメント着脱システム「P-Line」を国内で受注開始
2024年5月14日
運転席に居ながら1人でアタッチメントを交換可能、施工現場の安全性や生産性の向上に貢献
日立建機株式会社(執行役社長:先崎 正文/以下、日立建機)は、油圧ショベル1台で多用途に活用できるアタッチメント着脱システム「P-Line(ピーライン)」を、日本国内向けに2024年10月から受注開始します。対象となる機種は、1.7~40tクラスの油圧ショベルです。都市土木、解体、管工事など幅広い業種からの需要が見込まれます。
P-Lineを活用することで、オペレーターは運転席に居ながら1人でアタッチメントを交換し、従来、複数の機械や人が行っている作業を油圧ショベル1台で行うことが可能になります。これにより、施工現場の安全性や生産性の向上に貢献します。
例えば、都市部の道路工事では、土砂の掘削・根切り・管の敷設・埋め戻し・締固めなどの作業を行う際、油圧ショベルのほかに複数の機械を用いて施工します。本来、油圧ショベルはアタッチメントを交換して多様な施工が可能です。アタッチメントの交換時に油圧ショベルとアタッチメントをつなぐピンや油圧配管の着脱などの手作業が発生するため、多くの時間と労力が必要で、安全性と生産性の面で課題がありました。
日立建機グループでは、持分法適用会社KTEG GmbH*1(本社:ドイツ連邦共和国ヘッセン州シュトックタット・アム・ライン、取締役社長:ハラルド・トゥム/以下、KTEG社)が開発したP-Lineを、2023年10月から欧州で販売しています。今後、日本市場でも生産性向上のために需要が見込まれることから、施工現場のプロセスを最適化するソリューションとして日本国内向けにも展開します。
*1:日立建機と欧州代理店Kiesel GmbHの子会社Kiesel Technology GmbH(キーゼル・テクノロジー社)が共同で出資している開発会社
P-Lineは、油圧ショベル、アタッチメント、旋回機能付き完全油圧式クイックカプラ*2、アタッチメント自動認識装置などの組み合わせで構成しており、お客さまの業種に応じて自由に組み合わせることが可能です。オペレーターは、運転席に座ったまま、数十秒ほどでアタッチメントを付け替えることができるため、交換作業の時間短縮と労力の軽減に寄与します。また、クイックカプラに旋回装置が備わっている為、すべてのアタッチメントが360度の回転操作が可能です。そのため、さまざまな角度の施工面の作業にも対応できるため、標準モデルの油圧ショベルよりも広い範囲を施工することができます。
さらに13t以上のクラスでは、アタッチメントに最適な油圧の圧力や流量などの情報を登録したICタグを取り付けて、Bluetoothで運転室内のモニターと接続します。これにより、従来オペレーター自身で設定していた各アタッチメントの最適な油圧の圧力・流量調整を自動かつ適切に設定できるため、オペレーターの油圧設定の手間の削減、機械の故障リスクの低減に寄与します。
*2:アタッチメント交換時、車体へのアタッチメント本体の装着と油圧配管の接続を同時に行うことができ、施工時はアタッチメントを360度回転することができる装置。
なお、日立建機は、第6回建設・測量生産性向上展「CSPI-EXPO」(2024年5月22日(水)~24日(金)、場所:千葉県・幕張メッセ)においてP-Lineを展示する予定です。
日立建機グループは、これまでも、お客さまの身近で頼りになるパートナーとして、社会課題を解決するソリューション「Reliable Solutions」の実現に取り組んできました。今後もお客さまと協創し、お客さまの課題解決に向けてチャレンジしていきます。
P-Line使用イメージ
1.掘削
2.締固め
3.管の敷設
商標注記
- 本文内の会社名、製品名などは、それぞれの会社の登録商標もしくは商標です。
関連情報
日立建機について
日立建機は、油圧ショベル、ホイールローダ、道路機械、鉱山機械などの開発・製造・販売・サービスの事業をグローバルで展開している建設機械メーカーです。新車販売事業に加えて、部品・サービス、再生(部品・本体)、レンタル、中古車の「バリューチェーン事業」を拡大し、革新的なソリューションをお客さまに提供する真のソリューションプロバイダーとして、お客さまと共に成長をめざします。世界に約26,000人の従業員を擁し、2023年度(2024年3月期)の連結売上収益は1兆4,059億円、海外売上収益比率は84%です。詳しくは、日立建機のウェブサイトをご覧ください。
以上
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