法務|砂井 俊太郎
砂井 俊太郎
法務統括部 法務グループ
2014年入社
全事業の「伴走者」として積極的に関わり、
日立建機の社会貢献を高める
入社時から任される、大プロジェクト
法務部には、法学部出身者が多いですが、重視されるのは「法的なモノの考え方、分析の仕方」で、それは入社後の経験によって鍛えられる部分が大きいです。私自身も法学部出身ですが、学校で学んだ知識がそのまま使える訳ではなく、業務を通じて学ぶことの方が多くて、苦労はしました。配属時にはちょうど、海外各国の法令をデータベース化するプロジェクトが始まっていて、そこに加わらせていただいたのですが・・・弁護士からの法令調査レポートは数百ページに及ぶ英文で、読むだけでも大変なのに、追加調査すべき事項を洗い出したり、データベースと照合して修正したり、建設機械の製品や業界との関連を確認したり、とにかく必死でした。おかげで、データベースのアップデートが一巡する頃には、自分の法律知識も、英語の読解力も、そして会社や製品、業界の知識も、かなり向上したと思います。4年目には、役員も参加する大きなプロジェクトに担当者ながら参加させていただきましたし、後輩もM&A案件に加わるなど、法務では若手担当者の内から高度な業務や規模の大きいプロジェクトに関与させてもらえます。
守りのみならず、“攻め”も求められる
法務では、肩書や経験年数に関係なく、幅広い案件を担当させてもらえるのも魅力といえるかもしれません。複雑で難易度が高く、ときには責任が重い案件もありますが、他の部署からは「法務の人」として、若手かどうかにかかわらず任せてもらえるので、やりがいと達成感は非常に大きい仕事です。現在は、土浦の工場に在勤しているのですが、メーカーの法務は製品が生み出される現場と密接に結びついているので、現場により近い場所にいることで、対応できる案件、経験できる幅が圧倒的に広くなります。例えば、お客さまからクレームを受けて原因を追究していくと、サプライヤーに追求すべき問題点に行き着くこともあります。「守り」と同時に「攻め」もする、そのために開発資料を詳細に検討したり、製造や調達の関係者と長時間、侃々諤々の議論をしたりする泥臭い一面もあります。更に、長期的な視点で会社の利益を考え、落としどころを探ることもあります。
人によっては法務を「クリーンな、決まったことを正確にやるだけの部署」とイメージしているかもしれませんが、同じ仕事は一つとしてなく、製品を生み出している人たちと一緒に泥にまみれる覚悟が必要な仕事だと思っています。
リーガルセンスを全社に広めたい
法務では、「事業部門の伴走者であること」を最優先方針にしています。事業部門が目指すゴールまでの道筋を正しく示し、一緒に走る、という意味です。私自身としては、他部署から仕事を頼まれるのを待つだけでなく、自ら積極的に関わり合っていく法務でありたい、と思っています。数年にわたって、事業部門向けの契約の基礎の勉強会で講師を務めていますが、こういう機会を積極的に提案していくことで、最終的には「全員がリーガルセンスをもつ会社」になってくれることが願いです。リーガルセンスとは、たとえばビジネスの最前線で、法的な問題やコンプライアンスのリスクを嗅ぎ分けられる嗅覚のことです。我々法務と一緒に仕事をするなかで、「走るべき方向や避けるべき障害物を知っている」人が増えれば、ビジネスの途中でつまずいたり、契約上のトラブルで後手に回ったりする事態が減っていくわけです。
これまで以上に安心して、安全かつ迅速にビジネスが展開できる。そうなれば、日立建機の社会への貢献度をますます高めることもできます。法務は、直接製品を生み出したり、お客さまにお届けしたりすることはありませんが、事業部門と伴走することで、一緒に日立建機の価値を世の中にお届けしているとも言える。ただ縁の下で支えるだけでなく、一緒に走る伴走者なのです。