DX|林原 知美
林原 知美
DX推進本部 DX改革統括部 DX活用戦略部 活用推進グループ
2010年入社
事例はない。正解もわからない。
そんななかで、新しい方法と価値を模索する
日立建機ならではの、DXとは
現在所属しているDX改革統括部は、デジタル技術やITを使って、身近な働き方改革から、建機を核とした工事現場や鉱山のIoTシステム、工場や営業現場などの改革に取り組んでいます。DXとはデジタルトランスメーションの略で、データやデジタル技術を活用し、組織やビジネスモデルを根本から一新すること。最終的には会社が掲げるバリューチェーン事業の一貫として、お客さまに提供できるソリューションにしたい考えですが、そのためにもまずは社内のDX化に向けた戦略立案と試作・展開が急務です。そこで会社にとっての理想像を起点に、将来像を考えるところからスタートしました。世の中には様々なDXの事例がありますが、それらは各業界に即した考え方に基づくもの。無理やり建機メーカーに当てはめても、ズレが生じます。そこで会社の資産や知見を活かして、日立建機ならではのDX化を目指すことにしました。たとえばこれまで新車販売と中古車販売はそれぞれの領域で仕組みが完結していましたが、ITソリューションで組み合わせることで、よりお届けしやすくなる。アフターサポートも同じで、いろんな商品のなかにサービスやツールがあります。まずは製品が伴うところを、第一歩として検討を進めています。
手探りが面白い、新たな業務の仕組みづくり
将来像から、関連部署を割り出し、手法を導く……という具合にブレイクダウンします。そしてやってみて、課題が浮かび上がるたびに修正を重ねる、トライアンドエラーの連続です。過去に海外工場や仕入先の生産管理システムの導入を行っていた経緯から、私はおもに、物流や商流など、ものの流れに関する部分を担当しています。担当しているシステムが完成すれば、トライアルとして営業員に使ってもらい、商談にも使ってもらう予定です。プロトタイプなので小さい範囲から始めますが、コンセプトに問題がなさそうであれば拡大していきます。ただ現場は今までのやり方が変わるため、混乱が生じる可能性があります。DX化を効率よく進めるためには、押しつけではなく現場の協力を仰ぐことも求められます。私たちの目指すものとやり方を理解してもらうため、役員への報告を定期的に行っているほか、動画コンテンツの有効性に注目しました。イラストを使って紙芝居仕立てで営業のサクセスストーリーを作って、ナレーションも付け、わかりやすく仕上げました。それが好評で日立建機日本や全社向けセミナーでも上映が決まりました。新しい業務の仕組みを生み出していく仕事ですから、暗中模索になる難しさはあります。その分、賛同を得られたときには嬉しいですし、自分の仕事が誰かのためになるんだと実感できます。
少数精鋭で、全社のDX化に挑む
机上の空論にならないよう、必要な情報を見える化することの大切さをあらためて実感できました。DX改革統括部が扱うものは目に見えない反面、関係者がたくさんいるケースが多い。伝わり方ひとつで、使う人のモチベーションの上がり方がぜんぜん違ってくるわけです。使う人の視点はもちろん、お客さまの視点にも立ちながら、何ごとも“自分ごと”として主体的に行うことを大事にしています。進める上で、自分たちだけの制約に考えが縛られることがありますが、現場独自のルールもあるなかで、コミュニケーションを密に取りながら慎重に進めています。と同時に、「時間をかけちゃだめ」という空気もあり、やるべきことを見極めながら手を止めないスピード感も大切です。私たちが挑んでいるのは全社的なDX化であり、これはすべてのお客さまの利益にも繋がっていくと考えています。成功すれば、DX化の事例そのものも商品にしていくことができるかもしれません。常に技術革新に挑む日立建機の姿をご覧いただいて、商品を使うワクワク感も提供できたらいいなと思っています。重圧もありますが、チームの仲間とともにひとつひとつ実現していきたいです。