ConSite OILの誕生秘話
従来の定期オイル分析では、ベテランメカニックが機械から正しい手順で作動油を採取し、良し悪しの判断や精度の高い分析を行うなど様々な制約がありました。
研究者
研究・開発本部
先行開発センタ コンポーネントグループ
倉迫彬
データ取得や検討をコツコツと重ね、製品化を実現
研究・開発本部 先行開発センタ コンポーネントグループ 倉迫彬
サービスマンが機械から作動油を採取し、新油と採取油の比較写真を撮影してレポートを作成していることが開発するきっかけの1つにありました。
現場では油の色の変化を目視で比較してその良し悪しを判断することがありますが、熟練の経験者でないと判断が難しい上に、人によって判断が異なるなどの制約があったのです。
また、現場でオイルを採油するのは非常に手間でしたし、少しでも手順を誤ると精度の高い分析ができませんので、技術も必要です。さらに現場の予定上、悪天候の中でオイルを採らなければならない…なんてこともありました。
こうした課題に対し、何とか自動で数字化して監視できないかとの思いから、センサによる監視開発がスタートしました。オイル分析に限らず、世の中のさまざまな分野で物理量の可視化が進んでおり、オイルセンサもそのひとつという側面もあるように思います。
開発の際は、データ取得とデータ整理の検討に苦労しました。実機やベンチへのセンサ系の仕込みは当然ですが、油の劣化に時間がかかる点が特に大変でした。というのも、弊社の純正油交換インターバルは、作動油は5,000時間、エンジンオイルは500時間。開発の過程で作動油やエンジンオイルを評価するためにそれだけ時間がかかってしまうことは、開発時のネックとなりました。また、実機適用にあたって、それまでに整理した結果に基づいてアルゴリズムを検討するプロセスも苦労しましたね。
実は過去にも、オイルセンサの開発に向けた取り組みは行われてきましたが、製品化に結びついていなかったのです。弊社でも開発が頓挫しそうな局面がありましたが、私たちの場合は実機に仕込んでいたデータが希望となり、粘り強く研究を継続できました。実機にデータを仕込んでいたことにより、これまで試験で想定通りの結果とならなかったのはデータのバラつきや信頼性、評価方法が原因だったことがわかりましたし、毎月の打ち合わせでも後ろ向きの発言が出ることはなく、各部署で協力し合って前向きに開発を進め、この度の製品化に至ることができました。
企画者
ライフサイクルサポート本部
カスタマーサポート事業部
販売促進部 主任 小倉興太郎
機械をより低コストで、より長く使いたい」「急なマシントラブルを防ぎたい」というお客様共通の課題が「ConSite OIL」開発のきっかけになりました。
研究者
研究・開発本部 先行開発センタ
コンポーネントグループ
倉迫彬
熟練の経験者でないと判断が難しい上に、人によって判断が異なるなどの制約がありました。