福美建設株式会社
長野県駒ケ根市
会社概要
福美建設は、駒ケ岳の麓に位置する、長野県駒ケ根市に本社がある。駒ケ根市は、東に南アルプス、西に中央アルプスを望む、天竜川がまちを縦断する自然豊かなところだ。創業は昭和41年、2026年には60周年を迎える。長野県では土木事業を、インフラ保全事業は愛知県、静岡県、松本を中心に中部地方で、太陽光発電施設建設事業は、全国を営業エリアとしている。
Solution Linkage Compactor
ICTを活用し複数の施工場所を効率的に管理
今回、福美建設がクラウド型転圧管理ソリューション「Solution Linkage Compactor」(以下、SL-Compactor)を導入したのは、長野県駒ケ根市の「令和5年度 天竜川水系飯島砂防管内施設整備工事」だ。メインは千人塚公園の盛土土工ではあるが、材料となる土砂採取の現場も複数存在し、それぞれを管理する必要があった。
複数の現場を管理するには、現場で直接施工進捗を確認する余裕が無いと考えていた。実際に車で移動するだけでも時間ロスが発生することから、ICT対象工事では無いものの、創意工夫による生産性向上の取り組みとして、SL-Compactorを活用し現場管理を行った。
従来の締固め管理方法における課題
従来の砂置換法では重い砂や検査用機材を何度も運ぶため現場担当者の身体への負担が大きい。
また、砂の乾燥や書類作成などの検査以外の作業に長時間を要するため、省人化・省力化が可能な方法はないかと探していた。
そこで、日立建機日本からSL-Compactorを提案され、導入を決めた。
離れた現場事務所から現場の転圧管理状況を把握
導入したSL-Compactorは、現場の転圧状況をクラウド上で一元管理し、オペレーターの作業進捗状況をリアルタイムに把握が可能だ。土工用振動ローラーに搭載されているタブレット端末は、現場事務所のパソコンからデータをクラウド経由で一元管理ができるため、オペレーターは起動時にタブレットの3カ所を操作するだけで簡単に施工を開始できる。また、管理者は現場に行くことなく、離れた現場事務所から施工状況をリアルタイムに把握することができるようになる。
さらに発注者に提出するための 「締固め回数分布図」 「締固め層厚分布図」 「走行軌跡図」 を簡単に帳票出力でき、書類作成の工数削減にも成功した。
転圧管理ソリューションを導入し約85%の工数削減に成功
本工事で従来の砂置換法を適用していた場合、丁張、現場作業、書類作成で約432時間程度かかる想定であったが、SL-Compactorを活用したことで、65時間程度で対応することができた。作業員数も3人から1人に削減し、大きな導入効果を実感することができた。
ICTは現場に必要不可欠
福美建設は今まで複数のICT施工を経験し、今では、省人化、残業時間の削減、を実現・実感している。
ICT対象工事でないと、ICT導入費用が発注者から支給されない。そのためICT機器のレンタル代などは、まだまだ高額であると感じているが、一方で人件費は大幅に削減できることから、ICT対象工事でなくてもICT導入は必須であると考えている。
「今後も、常に事務所、また現場で活用可能な製品や技術を活用・応用しながら、さらなる生産性向上につなげていきたい」と片桐氏は語る。
「信頼」と「安心」に満ちた新産業・新企業へ
次の50年も社会から必要とされる会社であり続けよう、という決意を込め、創業者「久保田福美」の名を受け継ぎ、平成25年に社名を「丸福久保田組」から「福美建設」に変更した。土木、インフラ保全、太陽光発電所建設の3事業を柱に地方ゼネコンから広域的サブコンヘ大きく変貌を遂げようとしている。これからも、不撓不屈の精神で、未来の社会を築いていく。