【実証実験ご協力先】 株式会社堀口組
北海道・留萌(るもい)市
代表取締役社長
堀口哲志氏
i-Constructionに先駆けて当社は早くから情報化施工に取り組んできただけに、新しい技術を積極的に受け容れる現場の素地がある。
我々の現場の声をよく聞いてくれ、提案・要望を伝えるとすぐに対応して次の改善策を示してくれる日立建機の協創姿勢は高く評価できる。
北海道・留萌市に本社を置く株式会社堀口組による実証実験のもと、開発を進めた「Solution Linkage Mobile」。
Solution Linkage Mobileがテスト導入された施工現場は、1㎞にわたる農業排水路整備。仮排水路を施工して水流をバイパスした後、既設水路の護岸を補修工事する。河床掘削や法面成形、法面保護のカゴ枠設置、掘削残土の場外運搬などの工事が発生する現場だ。
「この現場は狭く、重機土工を主とする中、近接して手元作業する人員も多い。こうした状況下、位置情報をもとに接近してくる作業員を警告音とともにオペレータが認知できるこのシステムは有用性が高い。
また現場規模にかかわらず、管理者や現場代理人が毎日の進捗状況を確認しながら次の段取りや配置を手立てするのにも
役立つ」(代表取締役社長・堀口哲志氏)
Solution Linkage Mobileの機能はそれだけではない。
「テスト運用してみて、当社で最も有益に感じているのが安全重視のための活用だ。Solution Linkage Mobileは地図上に任意でエリア設定ができ、施工現場のほかに架空線や埋設物があって注意喚起すべき箇所を指定している。従来なら誘導員配置やノボリを立てるなどの危険周知だけだが、このエリアに重機が進入すると、搭載したスマホから警告音が鳴ってオペレータに注意を促すので、より効果的な危険回避に役立っている。当初は地図画面による目視だけだったが、こちらから警告音が鳴るように提案し、さらに補助作業員と重機の接近警告音と危険エリアへの重機進入警告音を別音に設定してもらった。日立建機のこういう改善対応は早い」(常務取締役・湯浅勝典氏)
「いまの現場は既設排水路から出るコンクリートガラや掘削残土を、10tダンプ5台を動かして場外運搬しているが、現場から離れたところにある産業廃棄物処分場やコンガラ処理場をエリア設定しているので、進入回数とともに概算ながら運搬量が分かる。ダンプの今いる位置はもちろん、履歴もさかのぼれるので工事の進捗状況が把握しやすい」(土木部工事主任・三橋政彦氏)
「日立建機は施工だけでなく、ビジネス全体を見回したさまざまな支援をしてくれる点が高く評価できる。ICT・IoTソリューションは新しいサービスがどんどん生まれる“伸びしろ”があるだけに、日立建機の今後の提案に期待したい」(堀口社長)