株式会社井木組
鳥取県東伯郡琴浦町
会社概要
「ファースト・コール・カンパニー」をめざす井木組は、「顧客から一番に声をかけてもらえる会社」、「真っ先に頭に思い浮かぶ会社」になるべく、官民問わず土木・建築の施工を幅広く手掛けている。大正元年の創業以来、建設事業を通じて地域社会の発展に尽力してきた井木組とその社員は、さらなる成長発展に向けて「常に創意工夫を重ね、時代の変化に対応できる挑戦する社員となること」に取り組んでいる。
R3年度北条道路西園地区第1地盤改良他工事
鳥取県内の北条道路は、鳥取県東伯郡湯梨浜町はわい長瀬から東伯郡琴浦町槻下をつなぐ延長13.5㎞の自動車専用道路であり、2017年度から整備が進められている。
「R3年度北条道路西園地区第1地盤改良他工事」は倉吉河川国道事務所から発注された関連工事の1つであり、ICT建機による掘削と路体盛土が行われている。
当時、例年よりも平均気温が高い夏場での施工であったこともあり、土量測量作業を筆頭に直射日光を浴びる作業の中で効率化が求められていた。
スマートフォンで撮影するだけで土量計測完了
作業時間と人手を大幅削減
土量計測作業の効率化につながるソリューションを探していた土木第一工事部部長の青木氏は、日立建機日本からのSolution Linkage Surveyの提案に注目した。Solution Linkage Surveyはスマートフォンで計測対象を撮影するだけで土量計測ができるソリューション。撮影した動画をもとにクラウド上で3次元データを作成し、土量計測や計測結果のレポート出力ができる。現場の仮置土を用いて日立建機日本と試用した結果、利便性や計測精度をその場で実感した。「3次元データはレーザースキャナーでとるものという概念が覆された」と青木氏は話す。
土木部主任の前田氏は「これまでの土量計測作業は、2人がかりでテープ測量を行うため半日ほどかかった」と従来手法を振り返る。「Solution Linkage Surveyを用いることで計測作業が1人で1時間以内に完了し、精度も従来手法と遜色(そんしょく)もなくシンプルで、土量計測が楽になった」と評価する。
人材育成への活用
井木組は将来の担い手を育てるべく、インターンシップや社外団体との取り組みを積極的に進めている。「ツナガルドボク」への参画はその取り組みの一つだ。「ツナガルドボク」では産官学(鳥取大学、国土交通省、地元企業他)が連携して大学生をインターン生として受け入れる。インターン生は現場実習を通じて土木に関連する仕事のイメージをもち、今後のキャリア形成に役立てる。
井木組ではICT建機やSolution Linkage Surveyのような最新の技術を採用した現場で、インターン生や新入社員向けに現場見学会を行うことで、未来の現場をイメージしてもらえるように取り組んでいる。Solution Linkage Surveyはスマートフォンの操作に慣れている学生たちにとって受け入れられやすく、現場見学会でも好評で、未来の現場に対してポジティブなイメージが広がった。
「ツナガルドボク」とは…
ツナガルドボクは、地方土木業界のアップデートと若者が思う存分に挑戦できる心の拠り所となるような場所として、2018年の12月に「NPOツナガルドボク中国」として鳥取大学を拠点に発足。