射水建設興業株式会社
富山県高岡市
会社概要
昭和27年に、輸送、建設、土石販売を主目的に設立された射水建設興業株式会社は、お客さまから「選ばれる企業」になるため、【一致協力】の理念の下、地域貢献とお客さまの満足度向上をめざしている。熟練の技術と厳密な管理体制に基づく施工実績は、国土交通省や富山県などの発注者からも高く評価され、優良工事表彰を数多く受賞している。
Solution Linkage Mobile
ダンプトラック10台による土砂運搬~安全意識の向上とドライブレコーダーの課題克服~
小矢部川・矢水町護岸災害復旧工事は、北陸地整の富山河川国道事務所から発注を受けた工事だ。小矢部川は蛇行した河川なので、湾曲区間外岸側で局所的に土砂が洗い流される「洗掘」が発生しやすいという特長がある。本工事は護岸ブロックを設置することで増水時にも耐えられるようにすることを目的としている。現場で発生した土砂は最大10台のダンプトラックで搬出する計画だ。
土砂運搬の際には、ダンプトラックの速度超過や指定ルート外での走行を注視する必要がある。ドライブレコーダーを搭載すれば、速度超過や事故発生時の映像を記録できるが、ダンプトラック全台に設置されているわけではない。また、今回使用されたドライブレコーダーはデータ保存容量の関係で半日分の記録しか残らないこと、また協力会社のダンプに取り付けているため、簡単には入れ替えられないことが課題であった。
こうした背景から、ダンプトラックのオペレータの安全意識の向上と、過去の走行履歴を長期間残すための手段を探していた金塚氏は、日立建機日本からダンプ運行管理ソリューションSolution Linkage Mobile (以下SL-Mobile)の提案を受けた。
SL-Mobileはスマートフォンや車載専用GPS端末の位置情報を活用することで、現場の管理業務を効率化するソリューションだ。前者は専用アプリを起動するだけで、後者はダンプトラックのシガーソケットに差し込むだけで利用できる。現場関係者は常に重機やダンプトラックの位置を確認できることに加え、予め進入通知エリアを設定することで、重機オペレータにダンプの到着を通知できる。
金塚氏は全ダンプに車載専用GPS端末の設置と、重機オペレータと交通誘導員にスマートフォンを配布することを決定。日々の運用は米澤氏が担当することとなった。
「SL-Mobileのメリットは、走行履歴がクラウド上にアップロードされ、過去のデータを見ることができる点だ」と金塚氏は振り返る。「従来は、運行状況を確認するために監視員を配置、もしくは職員が追跡調査(約1時間30分/回)を行う必要があったが、導入後は速度超過やルート逸脱などの情報をモバイル端末やパソコン上でいつでも確認できるようになり、追跡調査が不要になるなど大幅な人員削減が図れた」
メリットは他にもあるという。「重機オペレータと交通誘導員のスマホにダンプトラックが接近していることを通知するように設定したことで、積込作業の効率化や、休憩を計画的に回せるようになった」また、「発注者にも実際の画面をご覧いただき、取り組みを評価いただけた」と金塚氏は話す。
端末の配布や、管理画面の操作などを任された米澤氏も、「分からないことがあっても、日立建機日本の担当者が丁寧にサポートしてくれたので安心して利用できた」と、日立建機日本の対応を評価した。
将来の成長を見据えて~若手人材の育成~
創意工夫で運行管理業務を効率化した同社。今後の展望を伺ったところ、「現場のテーマは若手人材の育成」との答えが返ってきた。金塚氏は断言する。「自分だけが頑張っても会社は大きくならない。さらなる成長にむけて若手が活躍できる環境を整えたい」「今の現場は10代~20代の若手が3名在籍。若手にBIM/CIMや運行管理システムを任せることで、便利なものがあることを知ってもらうと同時に、選択肢を増やしていってもらいたい」
若手人材の育成と新技術の活用に積極的な同社、お客様から「さらに選ばれる企業」になる日は近い。