株式会社祁答院土木
鹿児島県薩摩川内市
会社概要
祁答院土木は昭和60年創業以来、建設事業を通して地域の皆様が安心・安全に生活出できることを使命に今日まで取り組んできた。2025年には40周年を迎える中、今までと変わらず地域に根付いた豊かな郷土づくりに向かって走り続けている。また、「社員はみな家族」を目標に掲げ若者や女性が活躍し、働きやすい職場環境をめざしている。
Solution Linkage Point Cloud
空中写真測量の自社内製化に挑戦
今回、祁答院土木がSolution Linkage Point Cloud(以下、SL-Point Cloud)を導入したのは、鹿児島県の北西部に位置する、南九州西回り自動車道の阿久根川内道路事業の一環として、道路改良を行う「鹿児島3号西目地区改良(その3)工事」である。南九州西回り自動車道は、八代市を起点とし、水俣市、出水市、薩摩川内市を経て鹿児島市に至る全長約142㎞の高規格幹線道路となる。本道路は、熊本県南地域の農作物、水産物の効率的な物流、管外搬送を含む救急医療活動など、さまざまな場面でくらしや産業、経済を支えており、地域の安心・安全に大きく貢献している。
本現場受注後に日立建機日本から、Solution Linkageシリーズを提案され、以前から空中写真測量の自社内製化を挑戦してみたいと感じていたこともあり、初の国土交通省直轄ICT施工対象工事でSL-Point Cloudの導入を決断した。
従来方式では造成現場特有の測量に要する人員と作業工数が懸念に
従来はトータルステーションを用いて、縦横断測量を3人で3日かけて行っていた。また、書類作成時間も1人で約1日半を要していた。TLS(地上型レーザースキャナ)も購入したが、今回の高低差がある現場では10回以上の機材据替が必要になる想定だった。
広大な現場を手軽に工数をかけずに3次元点群データを生成
UAV写真測量を始めるには高価なSfM(Structure from Motion)ソフトウエアを購入し、操作方法を覚える時間を確保しなければならなかった。細かい設定などを行うため、専任の人員を配置する必要があると感じていた。
SL-Point Cloudは、細かい設定が不要で、ドローンの自動航行で撮影した写真をクラウドにアップロードするだけで点群生成ができる。今まで現場の状況を空撮で撮影するためだけにしか利用していなかったドローンを活用し、自社で空中写真測量が可能になった。
測量工数削減だけではなく、測量時の安全性確保と残業時間削減にもつながる
従来のTS(トータルステーション)を用いた縦横断測量では、約84.6人時を費やしていた。TLS(地上型レーザースキャナ)を導入したことで、約11.7人時まで工数削減ができたが、広大な施工エリアで高低差もあることから10回以上機械の据替が必要になった。そこでSL-Point Cloudを活用し、UAV写真測量を行うことで、約5.1人時にまで工数削減をすることができた。
今まではUAV写真測量で測量を行う場合は、外注で実施をしていたが、SL-Point Cloudを導入することでUAV写真測量を自社で行うことができるようになった。「今では広大な土地の点群化にはSL-Point Cloudを活用した空中写真測量は欠かせない。空中写真測量では取得しきれない細かい部分はTLSで点群を補完するなど、空中写真測量とTLSの良いとこ取りをしながら今後も活用していきたい」と山口氏は意気込む。
地域に根付いた私たちに出来ること
主に治山工事や道路改良工事などの土木事業に取り組んでおり、ロードインフラ工事や草木の管理・剪定事業、堤防工事などの業務を行っている。また、農業支援事業や舗装施工事業なども手掛けている。最近は、なかなか地元に帰れない、お墓周りの管理が行き届かないという方も多い中で、墓石掃除や除草なども行っている。
加速する時代の中で多様なニーズに応えられる企業体を目指し、今後も社員一丸となって取り組んでいく。