ナガヤス工業株式会社
埼玉県草加市
代表取締役
大根田 長政 氏
会社概要
ナガヤス工業は昭和51年の創業以来、埼玉県草加市を中心に建設工事を通じて地域に貢献できる会社であることを心掛けてきた。同社は、ICTや多能工を始めとする新分野に積極果敢に挑戦し、経験や知識を積み重ねて技術力を向上させてきた。人々から信頼され必要とされる企業をめざし、良質な社会基盤の整備に社員一丸となって取り組んでいく。
日立建機は2021年7月から、小規模舗装工事の整地作業向けに、PATブレードの3Dマシンコントロール(3DMC)仕様の4トンクラスミニショベル「ZX40U-5B(以下、ZX40U)」を販売開始した。この製品は、2018年に販売・レンタルを開始したミニショベル「PATブレード3Dマシンコントロール仕様機ZX35U-5B」の機能を継承しつつ、常時360度の全旋回動作が可能となり、使い勝手を大幅に向上させている。
ナガヤス工業は、2018年に発売したPATブレードの3Dマシンコントロール機能を搭載したミニショベル「ZX35U-5B(以下、ZX35U)」を始めとするICTを導入して社員の労働時間や現場のあり方を変え、自社の働き方改革につなげようとしている。今回同社に、ZX40UのMC仕様機を試乗頂き、その感想を聞いた。
新しいZX40Uとは
以前のZX35Uは、ブレードに取り付けた装置と運転室のブレード制御用コントローラをケーブルで接続する必要があり、車体の旋回範囲が限られることが課題となっていた。一方ZX40Uは、PATブレードに取り付けた装置と運転室のブレード制御用コントローラの接続方法を工夫することで、常時360度の旋回が可能になり、使い勝手を大幅に向上した。また、一般的なミニショベルと同様に整地作業前の路面掘削や土砂の積み込み、路盤材の敷き均しなどの作業にも活用できるため、施工現場に投入する機材の集約も可能となっている。加えて、車体重量が増えたことで押せる土砂の量も増えている。
建設業の経験年数が短い若手オペレーター2名に話を聞いたところ「ブルドーザーに乗った経験がなくても敷き均し作業を行なうことができた」「高さをモニター画面上で簡単に調整設定ができて使いやすい」「機体重量が増加しているので、力強く敷き均し作業ができ、作業後の波打ちが少なかった」「旋回作業ができるので操作のストレスを感じることなく作業に集中できた」–と、扱いやすさに関する評価が高かった。
建設業とICT
ICTを積極的に取り入れる方針を進めている大根田社長は「昨年車両系の免許を取ったばかりの担当者に施工させたが、直感的に操作ができる機械になっており、若手オペレーターでも施工できることが分かった。以前のZX35Uでは、誤って旋回操作をしてしまい、ケーブルを断線したこともあったが、ZX40Uはそんな心配もないので、慣れていないオペレーターでも安心して操作できる」と話す。
また、「ICTは、当初は従業員に夢を持ってもらう意味合いで導入していた。しかし実際に導入したところ、採算も取れるし、従業員から積極的に使いたいとの意欲も出ている。金銭面でも社内意欲の面でも良い効果を得ることができた。ICT施工を積極的に取り入れたことがきっかけになって、異業種から若手社員が入ってくるようにもなった」と、建設業の魅力向上にも寄与しているという。