株式会社野添土木
鹿児島県鹿児島市
会社概要
株式会社野添土木は、鹿児島県の桜島に本社を置き、桜島を含む大隅半島や鹿児島市内の道路・砂防工事を中心に事業を展開している。県内でも早くからICT施工を導入し、国土交通省のi-Construction大賞や、九州地方整備局から表彰されるなどの受賞実績がある。
R3・4桜島管内保全・維持修繕工事
年間を通じて噴火している桜島は、火山灰や軽石といった火山噴出物が堆積する。そこに台風などの大雨が降ると、土石流となって島内の生活インフラに影響を及ぼすため、定期的に堆積物を取り除く必要がある。本工事は島内全域の河川において、堰堤(えんてい)保守や土砂搬出を行うことでインフラを維持する役割をもつ。また現場全体で遠隔臨場を行うことが求められており、通信環境が安定している場合は原則、遠隔臨場*を実施した。
*遠隔臨場:発注者と施工者が映像共有サービスなどを通じて遠隔で行う検測業務
通信環境を改善し遠隔臨場の回数を増加 移動時間短縮により施工効率向上
Solution Linkage Wi-Fiを導入したことで遠隔臨場を実施する回数が増え、現地に発注者が立ち合っての検査が減った。遠隔臨場によって現場へ移動する工数が減り、発注者視点では移動に伴うコストの削減、施工者視点では検査に伴う時間が削減され、空いた時間を別の作業に充てられるといったメリットがある。Solution Linkage Wi-Fiを導入した小野田氏は「これまでの通信方法では、検査対象のうち全く通信がつながらないものが10カ所、不安定なものが5カ所存在した。Solution Linkage Wi-Fiを利用したことで、すべて遠隔臨場ができた」と振り返る。検査箇所が、堰堤の基礎部分のように高低差があり見通しも悪い位置にある場合は、通信が不安定になる傾向がある。そこで比較的通信が安定している高所にSolution Linkage Wi-Fiの親機、検査箇所付近に子機を設置しWi-Fiエリアを構築。遠隔臨場時はWi-Fiネットワークに職員のスマートフォンが接続され、撮影した映像を離れた事務所にいる検査担当官にリアルタイムに届ける。
左上写真:遠隔臨場の様子①
右上写真:Solution Linkage Wi-Fi親機
左下写真:遠隔臨場の様子②
右下写真:Solution Linkage Wi-Fi運搬の様子
ICT活用が当たり前になる日
i-Constructionへの取り組みなど新技術の活用を積極的に行ってきた野添土木。「鹿児島県内でICT施工や遠隔臨場の活用が普及してきており、遠隔臨場も今後当たり前になる」と小野田氏は考えている。これまで通信できなかった現場でもつながるようになることで、ICTの活用、さらには現場の生産性向上が加速する。