株式会社大本組
岡山県岡山市
会社概要
株式会社大本組は「安全第一」「技術と信用」「誠実と努力」「経営の健全」を社是に掲げ、1907年の創業以来、ニューマチックケーソン工法やICT施工をはじめとした高度な技術力と豊富な実績をもつ総合建設会社である。透明で公正な生活空間創造企業として、地域社会、株主、社員、パートナーなど企業を取り巻くすべての関係者から信頼され、社会に貢献することをめざしている。
交通量が多く見通しの悪い道路環境におけるダンプトラックの誘導に課題
今回伺ったのは、都内の幹線道路付近に新たな調整池をつくる工事現場だ。現場付近の道路は自転車や歩行者の交通量が多い上に、駐停車する車両も多く、道路の見通しが非常に悪い。ダンプトラックは本現場を含む3カ所を行き来し、1日あたり約40台が現場を出入りする。こうした状況から本現場はダンプトラックの誘導が特に重要な現場であった。従来、誘導員は終日現場入口に張り付き、ダンプトラックの接近を目視して、周囲の安全を確認して誘導していた。しかし、交通量の多さから見通しが悪く、ダンプトラックの接近が確認しにくい場合があり、誘導作業に支障をきたす課題があった。
運行管理ソリューション導入で誘導員削減、休憩も取りやすく負担も軽減
課題解決を検討していた大本組の樋口氏と板谷氏は、同社技術部と日立建機日本の提案から、日立建機の運行管理ソリューション「Solution Linkage Mobile」の存在を知った。別会社の運行管理システムも比較検討していた中、「現場にとって本当に使いやすいものを導入したかった」と樋口氏は振り返る。日々の運用を担当した板谷氏は「Solution Linkage Mobileは、毎朝ダンプトラックのシガーソケットに車載専用GPS端末を差し込むだけで、ダンプトラックの位置や運行状況をリアルタイムに確認することができる」と説明する。ダンプトラック誘導員はSolution Linkage Mobileのアプリがインストールされたスマートフォンを持ち、地図と通知音からダンプトラックの位置と接近タイミングを把握できるようになった。樋口氏は「従来は、ダンプトラックが戻ってくるタイミングが分からないため、誘導員は現場に張り付きだった。本ソリューション導入後は誘導作業が効率化され、休憩も計画的に取れるようになり、誘導員たちも非常に喜んでいる」と話す。同氏は続けて、「通常、誘導員を4人手配するところが、導入後は3人で回せるようになり、現時点でダンプトラックに関するクレームも受けていない」と導入後の効果を強調した。
さらなる安全な現場をめざして
大本組のSolution Linkage Mobile活用シーンはダンプトラックの誘導だけにとどまらない。汚泥などの産業廃棄物を運搬する際は運搬ルートが指定されるため、Solution Linkage Mobileの管理画面上に運搬ルートを設定し、ダンプトラックの現在地と共に表示。ダンプトラックが適切なルートを走行しているかが一目瞭然となり、万が一ルートを逸脱してしまった場合も、直ちに適切なルートに戻るよう指示が出せる。「将来的にスマートフォンを見なくとも、現場関係者がダンプトラックの接近などがわかるようになれば、さらに良くなる」と樋口氏は考える。さらなる安全な現場の実現にむけて大本組の創意工夫は止まらない。