株式会社川平土木
沖縄県南城市
石原氏
具志堅氏
会社概要
住みやすく美しい地域環境づくりに貢献できる会社を目指している。新たな技術を取り入れながら、将来の担い手である若者にも魅力のある職場めざす。
【現場紹介】
「H29南部東道路改良工事(4工区-1)」。これは沖縄県が始めて発注したICTモデル工事で、地域住民に都市的サービスを提供し、南部地域の振興を支援する大切な工事だ。
現場となった大城工区は、ほぼ切土で、法面掘削整形と盤下げにバックホウのマシンコトロール(MC)とマシンガイダンス(MG)を活用した。日立建機のZX200X-5Bと、TS出来形対応端末を使って丁張り位置出しを行い、施工仕上りの確認と出来高チェックを行った。
施工面積は約5,000m² 。切土は約20,000m³ で、2017年9月12日から2018年7月で工事を完了した。発注者とICT推進協議会、施工業者向けの現場見学会も開き盛況を得た。
【施工での感想】
ICT導入を決断したのは、自社の技術力向上と新技術への取り組みによる新たなICT工事受注への布石だった。
日立の採用を決めたのは、現場をサポートする丁寧な営業対応だ。測量や3次元設計データ作成では、営業が業者間連携を橋渡しし、ICT活用について共に話し合い、トータルな現場対応は安心感につながった。
担当者は「会社の技術向上を一緒に進められるパートナーとして期待が持てた」と話す。バックホウへのMC採用は、この現場で丁張に掛かる人工と重機オペレータの手待ちを、削減できると考えたからだ。
実際に現況測量では、従来なら2日かかる縦横断測量を、2時間の標定点・検証点測量と1時間のUAVフライトで約3時間に短縮できた。3次元データ作成では、約3日間の現況点群と3次元データによる編集作業で、現場の完成イメージを分かり易く現場内共有できた。数量算出も容易で、書類作成も従来方法と比べ削減できたという。
ICT建機の採用は、管理技術者にもメリットがあった。従来なら法丁張りにかけていた時間が削減できたので、生まれた時間を書類作成にまわせた。オペレータサイドでは、施工仕上り確認のために重機の乗り降り負担が大きく軽減された。
特筆すべきは、沖縄県特有の「磁気探査」の手間削減だ。50cmピッチで行う「すきとり掘削」を、3次元設計データなしで運用できる2次元マシンガイダンス(2DMG)で行い、高さの検測を削減し手間を大幅に減らせた。
今後は「機械費が安くなり、20t未満のクラスが出れば活用できる場面が拡がる。年配のオペレータでも使いこなせる操作が簡単なシステムを望んでいる」という。日立建機ではすでに、13tクラスの「ZX135USX-6」を市場投入しており、今後も現場を強力にサポートしていく。