キムラ工業株式会社
茨城県牛久市
取締役工事部長 間篠 利彦氏
日立建機は細かく相談にのってくれた。以前、別の現場で他社による「全サポート」も活用したが、今回の現場で日立建機を選定したのは、「今後、情報化施工に一緒に取り組んでいきましょう」という熱心な協創へのアプローチと、他社に追いつき追い越せの先進的な取り組み意欲を高く評価した。
何から何まで一連でやれて、現場代理人の資質に応じて細かな対応をしてくれる日立建機は、中小の土木会社にとっては有難い存在だろう。だがゆくゆくは、作業フローのすべてを分離し、部分外注方式になっていくと予想している。そのためには自社でノウハウを蓄積し、内製化できるものを見極めながら時間をかけて人材の育成や現場の意識改革をしていく必要がある。過渡期である今は、現場代理人に応じた「全サポート」も「部分サポート」もどちらも必要だ。
2015年9月の記録的な豪雨(関東・東北豪雨)により鬼怒川の堤防が延長200mにわたって決壊、常総市の3分の1にあたる約40㎢が浸水し、茨城県内では住宅5,000棟以上が全半壊した甚大な被害は記憶に新しい。
鬼怒川下流域では「鬼怒川緊急対策プロジェクト」が推進され、ハード面では堤防整備や漏水対策、河道掘削などが実施されている。
キムラ工業が情報化施工で取り組んだ『H28水海道大橋上流河道掘削工事』は、i-Construction対象工事ではないが、同社が情報化施工を希望して入札し、施工を請け負った案件だ。
日立建機では、起工測量を実施したほか、各フローにおいて同社への支援を実施。お客さまの持っているノウハウを最大限に活かし、共に考えながら最適な方法を導き出すのが日立建機のICTソリューションだ。
「日立建機と協力しながら進めていけるので有難い。今回の現場は、UAV(ドローン)による起工測量と3次元点群データ作成を日立建機に依頼、設計・施工計画の3次元データ作成は内製化したが、そこでも的確なアドバイスをしてくれた。また施工に伴うICT 建機は日立建機からレンタル。従来なら20mピッチに必要な丁張りも不要となり6~8人分の作業量が短縮できているほか、作業員の負担も減った。
情報化施工の多くを建設コンサルタント会社に一括委託するという会社もあるが、「現場代理人の負担が大きくなりすぎるほか、コンサルタント会社へ委託するやり方だと発注先からの急な設計変更の要請にも対応しきれない。やはり社員が1から10まですべてに携わり、きちんと管理していくのが、“ 元請け”としてのキムラ工業の在り方だ。日立建機のICTソリューションは、その必要なポイントに細かく応えてくれることが望ましく、今後もこの現場の日立建機のサポートに期待したい」