岩田地崎建設株式会社
本社所在地 札幌市中央区北2条東17丁目2番地
加藤 正人 作業所所長
会社概要
『人と自然の最適環境づくりに貢献する』を企業理念に掲げ、国内はもとより、海外でも土木・建築工事を展開している総合建設会社。2017年度から社内にICT推進部を新設、積極的にICT、BIM(※1)/CIM(※2)に取り組み、建設業の生産性向上に注力している岩田地崎建設株式会社。同社はこれまでにも、東北で建設生産プロセスの全ての段階においてICT技術を全面的に活用する「ICT活用工事」を経験してきた。
今回は、ICT施工の取り組みが活発になっている土木分野ではなく、建築分野でのICT施工に挑戦した。
現場:北海道千歳市
工期:2017年11月~2019年12月
面積:5,185m² 土量:14,000m³
ICTを活用した部分:
- 建築基礎部分の掘削作業で、ICT建機(バックホウマシンガイダンス)を活用
- ZX225USx2台にBHMG装着(内、1台はエクステンションアーム付き)
- ZX135US×1台にBHMG装着
- 建築構造物や掘削部分の計画や打合せにBIM活用
【工事内容】
千歳市の建築現場
【導入の経緯】
建築分野でも建物を建てる基礎の部分では、建機を使った土工事が欠かせないため、建物基礎杭、地下躯体施工のための根切り、山留め掘削などに日立建機のZX225US-5B,ZX135USに3DMGシステムを装着、3台を稼働させた。掘削作業で床深さや、均し精度を確保すること、側壁山留位置を正確に把握して過掘りを防止し、手戻り作業となる埋戻しを軽減することにした。
【使用した感想】
「これまで、油圧ショベルバケット周辺の作業員が、一般的には3人から5人は必要だったが、この工事では2人に減らせた。結果として接触事故防止となり、安全面にも寄与した」と効果を振り返る。事前に光ケーブルやガス管といったライフラインなどの地下埋設物の位置を、設計データに入力しておけば、オペレーターが常にその場所を把握できるため接触を回避できる。さらに、3DMGシステムは安全面だけではなく、掘削精度の確保に大きく役立つため、現場では「掘削精度がきちんと確保できた」のはもちろん、「導入の目的どおり、床過掘りがなく、埋め戻しの手戻りがなくなり、当然、効率があがった」と感じている。
【今後の課題と展望】
今回の現場で3DMGシステムを使いこなした知見として、建機とダンプの運行管理も連携させたいと考えている。「ダンプの運行状況を、無線以外で重機オペレータが把握できれば効率が良いし、ほかの作業員の手間も省ける」。岩田地崎建設株式会社は、すでに次の活用に目を向けている。
※1: BIM/Building Information Modering
※2: CIM/Construction Information Modering