- 廃棄物の削減
- 原材料調達
- 水の有効利用
廃棄物の削減
日立建機グループは資源の有効活用に貢献するため、事業活動に伴う廃棄物の削減を推進しています。
生産拠点を中心に3R(リデュース、リユース、リサイクル)活動を積極的に進め、資源を有効に使う取り組みを通じて、自然から採取する原材料資源利用の回避または最小化を図っています。またリサイクル素材の積極的な利用、製品や部品のリユース、リサイクル活動により廃棄物(有害廃棄物を含む)の削減とともにサーキュラーエコノミーの実現をめざしてまいります。
2023年度は日立建機グループ全体で廃棄物有価物排出量が前年に比べ10%減少しました。
バーゼル条約で有害とされる廃棄物を有害廃棄物としており、発生量は2021年度:202t、2022年度:165t、2023年度:192tでした。
日立建機グループでは、廃棄物有価物等発生量の原単位改善率・プラスティック廃棄物のリサイクル率向上の目標値を設定し、継続的な改善に取り組んでいます。
廃棄物管理と削減の主な取り組み
・環境内部監査および環境巡視による廃棄物分別状況の確認
・生産工程で発生する廃油や汚泥の有価物化の促進
・業界団体と連携し、生産工程で発生するスラグのリサイクル
・使用済み部品を回収し、再生
・従業員へ廃棄物分別教育を実施
種類 | 廃棄物の 発生量(t) |
処分方法別の廃棄物処理量 | 処分方法の 判別方法 |
基準、方法、 前提条件、その他 |
|
リサイクル量(t) | 埋立量(t) | ||||
汚泥 | 5,292 | 5,251 | 41 | 廃棄物処分請負業者による情報 | 電子マニフェスト、 測定値 |
廃油 | 4,035 | 4,030 | 5 | ||
廃プラスチック | 2,801 | 2,304 | 497 | ||
紙くず | 3,396 | 2,569 | 827 | ||
木くず | 3,984 | 3,952 | 33 | ||
金属くず | 39,588 | 39,413 | 176 | ||
その他 | 41,709 | 25,037 | 16,672 | ||
合計 | 100,805 | 82,555 | 18,250 |
集計範囲:連結対象の国内外主要生産拠点
ゼロエミッション達成事業所
生産拠点ではゼロエミッション活動を推進しています。日立建機グループのゼロエミッション達成基準は、当該年度最終処分率(埋め立て処分量/廃棄物等発生量)0.5%以下というものです。
2023年度にゼロエミッションを達成した国内生産拠点は日立建機播州工場、多田機工、の2拠点です。また海外生産拠点では合肥日建機工有限公司、タタ日立、日立建機ヨーロッパ、ブラッドケン カナダがゼロエミッションを達成しています。
使用済み製品のリユース・リサイクル
廃棄物の適正処理について
日立建機グループでは廃棄物の収集運搬又は処分を委託する場合、委託先の事業者の廃棄物処理方法・能力が妥当であるかを確認しています。
また廃棄物の収集運搬又は処分を委託した後は、その事業者を対象に定期的に実査(現地調査)を実施し、廃棄物が適正に処理されているかを確認しています。
今後の取り組み
当社の廃棄物の多くは切り板などの有価物です。有価物以外の廃棄物についても100%リサイクルをめざすことが環境保全、またサーキュラーエコノミーの観点からも重要なポイントです。当社では今後は再資源化率を重要な管理指標とし、各拠点ともゼロエミッション工場を目指して分別の徹底や再利用を推進していきます。
原材料調達
サプライチェーン全体で環境負荷を低減していくために、日立建機グループでは環境推進活動に積極的な企業から製品やサービスを優先的に調達する方針として、グリーン調達を推進しています。
原材料の過去3年間の総量は、340.2千t(2021年度)、391.9千t(2022年度)、415.6千t(2023年度)です。
分類 | 内訳 | 区分 | 再生 可否 |
重量 (千t) |
材料・原材料割合 |
調達先 |
金属 | 鉄(鋼板含む) | 原材料 | 可 | 388.9 | 93.6% | 外部サプライヤー |
その他 | 原材料 | 可 | 9.7 | 2.3% | 外部サプライヤー | |
非金属 | プラスチック(熱硬化性) | 原材料 | 可 | 0 | 0% | 外部サプライヤー |
ゴム | 原材料 | 可 | 0 | 0% | 外部サプライヤー | |
機械油等 | 関連生産プロセスに使用する資材 | 可 | 13.8 | 3.3% | 外部サプライヤー | |
その他 | 原材料 | 可 | 3.2 | 0.8% | 外部サプライヤー | |
合計 | 415.6 |
主要製品の生産に使用したリサイクル材料の割合は12.4%になります。
グリーン調達
日立建機グループは、調達先の企業に日立建機の環境ビジョンへのご理解・ご賛同をいただき、「日立建機グループ グリーン調達ガイドライン」と「日立建機グループ サステナブル調達ガイドライン」に従い、以下の項目についてのご協力をお願いしています。
- 調達先の企業の環境保全活動に関する項目
- 納入品の環境負荷低減に関する項目
- 納入品に含有される化学物質の情報管理に関する項目
Topics
日立建機ティエラでは、一般社団法人滋賀グリーン購入ネットワーク(略称:滋賀GPN*)の活動主旨に賛同し、会員としてグリーン購入を積極的に推進しています。
*:滋賀GPNは、滋賀県内にグリーン購入を推進するため、賛同する企業、行政、各種団体242団体により1999年に任意団体として設立されました。2013年に一般社団法人として法人化してからは、「滋賀から『グリーン経済』をつくる」を活動ビジョンに掲げ、グリーン購入活動に留まらない幅広い環境負荷低減活動を推進しています。
調達先企業における環境アセスメント
日立建機では、調達先企業との新規契約の際にISO14001の取得状況を確認しており、新規企業については、100%の環境基準満たす企業より選定しています。
著しいマイナスの環境負荷(顕在的、潜在的)があると特定された取引先企業については契約を解消することとしていますが、2023年度は契約解消ゼロ件でした。
水の有効利用
日立建機グループは水資源の有効活用に貢献するため、全社的に事業活動に伴う水使用量(淡水も含む)の削減、水の循環利用を行っています。また水質汚濁防止のため、事業排水の水質を適正に維持管理しています。
サステナビリティ推進本部を中心とした体制を構築することにより、グループ全体の環境、社会およびガバナンスを統合的に管理・推進し、適切な情報開示を行っています。年2 回開催されるサステナビリティ推進委員会では社長をはじめとする執行役からなるメンバー構成で、気候変動への対応、水使用量削減などを含めた経営判断に関わるESG関連の審議・承認を行っています。
日立建機グループでは、水使用量の原単位改善率の目標値を設定し、継続的な改善に取り組んでいます。
水の有効利用と削減の主な取り組み
・給水経路毎に流水メーターを設置し、効率改善施策の立案、実施
・一部の蛇口使用の取りやめ、節水装置の設置
・塗装設備の使用水の長寿命化および循環水の利用拡大
・貯水槽を使った雨水の利用
・終末処理場での排水の水質管理と検査
水源種類 | 取水量(千m³) | 基準、方法、前提条件、その他 |
上水 | 313 | 実測値 |
工業用水 | 130 | 実測値 |
地下水 | 602 | 実測値、計算値 |
その他 | 9 |
集計範囲:連結対象の国内外主要生産拠点
日立建機グループでは工場の排水先水域を保護することを重要課題と認識しています。
水質汚濁防止のために、国・自治体で定めている公害防止協定値よりも厳しい自主管理基準値を設け、毎日の水質検査のほか、常時監視できる自動計測装置を設置し厳重な管理体制を整えて事業排水の水質を適正に維持管理しています。また廃水処理システムを採用して排水管理を徹底すると同時に、排水の品質に応じて生物学的処理を導入しています。
BOD、CODの排出量については定期的にモニタリングを実施していますが、それぞれの国・自治体が定めている公害防止協定値を遵守しています。
2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | |
BOD排出量 | 4.7t | 5.9t | 5.0 t | 2.9 t |
COD排出量 | 8.6t | 17.6t | 9.3 t | 3.7 t |
集計範囲: 連結対象の国内外主要生産拠点
排水先種類 | 排水量(千m³) | 水質(処理方法を含む) | 基準、方法、前提条件、その他 |
河川 | 361 | 各国・自治体の法的放水基準の順守、汚水処理場による浄化 | 実測値、計算値 |
下水道 | 391 | 各国・自治体の法的下水道基準の順守 | 実測値、計算値 |
地下浸透 | 224 | 計算値 | |
廃棄物含有 | 9 | 計算値 | |
蒸発 | 5 | 計算値 | |
その他 | 59 |
集計範囲: 連結対象の国内外主要生産拠点