コンプライアンス
日立建機グループ行動規範
日立建機株式会社(以下「日立建機」)および日立建機の連結子会社(以下、あわせて「日立建機グループ」)では、「基本と正道」を礎に、業務遂行する役員・従業員の判断の拠り所、取るべき行動を「日立建機グループ行動規範」(以下「行動規範」)に規定しています。
日立建機グループの全ての役員・従業員は、本行動規範を理解し、高い倫理観を持ち、誠実かつ公正に行動します。
日立建機グループ企業倫理・コンプライアンスコード
日立建機グループ企業倫理・コンプライアンスコード(以下「倫理・コンプライアンスコード」)は、行動規範に規定した日立建機グループの価値観に基づき役員・従業員が誠実かつ公正に行動するための原則及び規則からなり、日立建機グループ行動規範を補完するものです。
日立建機グループの全ての役員・従業員は、同僚と信頼関係を築き、取引先、株主、地域社会から信頼され、社会的信用を獲得・維持するため、倫理・コンプライアンスコードを遵守し、誠実かつ公正に行動します。
企業文化としてコンプライアンスを維持するためには、各個人が責任を持って行動することが大切ですが、そのような企業文化の醸成のために日立建機グループの役員・従業員は以下を徹底します。
- 倫理的な行動が評価され、尊重される労働環境を提供する。
- 自ら模範を示し、周りにも倫理・コンプライアンスコードの遵守をするように働きかける。
- 企業倫理やコンプライアンスに関する疑問や懸念を持つ同僚をサポートする。
- すべての役員・従業員に義務づけられている指定のコンプライアンス研修を受講する。
- 要請があれば倫理・コンプライアンスコード違反の調査に協力する。
近年、ハラスメントまたは差別を防止するための取り組みが強く求められていますが、日立建機グループは、倫理・コンプライアンスコードに基づき、健全、安全かつ生産的な労働環境の整備に積極的に取り組んでいます。私たちは、常に同僚に対し敬意を持って行動し、いかなる形態を問わず、人種、家柄、肌の色、宗教、思想、信条、政治的信条、兵役、性別、性同一性、性的指向、結婚歴、門地、社会的身分、妊娠状態、年齢、国籍、民族、疾病、障がい、遺伝情報などに基づくハラスメントまたは差別を行いません。
日立建機グループは、会社が指定する研修への不参加を含む倫理・コンプライアンスコード違反を重大な問題として受け止めます。そして、この違反者は、解雇および法的手段を含む適切な懲戒処分の対象となります。
日立建機グローバル・コンプライアンス・プログラム(HGCP)
日立建機グループは、事業活動を行う上で誠実であることを最優先に位置付け、顧客、株主、従業員をはじめとするすべてのステークホルダーからの信頼を大切にし、この信頼を維持して、より強固なものとするため、高い倫理規範と日立建機グループが事業展開する各国・地域のすべての適用法令を遵守し、適正な商慣行を尊重します。とりわけ、日立建機グループは事業活動に直接的にかかわるコンプライアンス上、特にリスクの高い3つの分野である「贈収賄防止」、「競争法遵守」および「マネーロンダリング・テロ資金供与・反社会的取引防止」のための取り組みが重要と考え、これらに関する規則およびガイドラインを制定し、行動規範および倫理・コンプライアンスコードのもとにそれらを体系化した「日立建機グローバル・コンプライアンス・プログラム(HGCP)」(以下「HGCP」)を運用しています。
また、「日立建機グループ・コンプライアンス・プログラム・フレームワーク規則」によりコンプライアンス・マネジメントに関する責任およびコンプライアンス活動に関わる基本方針を明確化しています。
日立建機グループは、グローバル・スタンダードを充足する先進的なコンプライアンス・システムの維持、向上に尽力します。
日立建機グループは、HGCPにおける重要な規則として以下のものを定めています。
- 日立建機グループ贈収賄・腐敗防止規則
日立建機グループが事業活動を行う、世界のあらゆる国・地域で実施されているすべての贈収賄防止法の継続的な遵守を図ること、ならびに常に誠実に行動し、倫理的かつ適法な方法により事業活動を行うという日立建機グループの確固たる取り組みを規定。 - 日立建機グループ競争法遵守規則
日立建機グループが事業活動を行う、世界のあらゆる国・地域で実施されているすべての競争法の継続的な遵守を図ること、ならびに常に誠実に行動し、倫理的かつ適法な方法により事業活動を行うという日立建機グループの確固たる取り組みを規定。 - 日立建機グループマネーロンダリングおよび反社会的取引防止規則
日立建機グループが事業活動を行う、世界のあらゆる国・地域で常に誠実に行動し、実施されているすべてのマネーロンダリング防止法の継続的な遵守を図ること、ならびに反社会的取引を回避するという日立建機グループの確固たる取り組みを規定。
過去4年間における日立建機グループでの贈収賄防止法、競争法およびマネーロンダリング防止法にかかる違反件数。
2020年度 |
2021年度 |
2022年度 |
2023年度 | |
贈収賄防止法違反 | 0件 |
0件 |
0件 |
0件 |
競争法違反 | 0件 |
0件 |
0件 |
0件 |
マネーロンダリング防止法違反 | 0件 |
0件 |
0件 |
0件 |
コンプライアンス推進体制
日立建機グループでは、「コンプライアンス・リスク管理規則」(以下「管理規則」)を制定し、コンプライアンス違反事案の管理、再発防止策の策定・運用を行う体制を整えています。
日立建機グループ内でコンプライアンス違反事案が発生した場合、管理規則に基づき、日立建機に設置されている事務局に対して、コンプライアンス・リスク速報(以下「速報」)が発行されます。
速報の発行プロセスの中では、当該コンプライアンス違反事案に対して初期的な対応、及び恒久的な再発防止策の策定・運用を行う再発防止責任部署を日立建機の適切な部署・担当者から選定・選任し、対応する体制としています。
再発防止責任部署は、初期対応から最終的な再発防止策の策定・運用まで進捗状況を、随時、速報を発行することにより日立建機グループ内に展開します。
また、日立建機グループでは、管理規則に基づき、「コンプライアンス管理委員会」(以下「委員会」)を組織しています。
定期・不定期に開催される委員会会議及び委員会発行の通知により、日立建機グループで発生した法令違反事案の共有・再発防止策、その他コンプライアンス施策の周知徹底を行います。
委員会の構成員である日立建機の全本部の本部長・連結子会社の社長は、委員会の周知事項を、各本部・各社において周知徹底を行う体制としています。
コンプライアンス通報制度
日立建機グループでは、法令遵守を徹底し、高い倫理観を持って企業活動を行うことに資することを目的とし、「コンプライアンス通報制度運営規則」(以下「通報規則」)を制定しています。
通報規則では、日立建機グループの役員・従業員の違法又は不適切な行為を通報する制度、およびこれらの通報への適正な対応の仕組みを定めています。
また、2022年6月に施行された「公益通報者保護法」に基づき、通報者を保護する内容等以下の事項を通報規則に規定し、通報制度の実効性を高め、企業の自浄作用が高まるよう当該規則に従い運用しています。
(内部通報の体制整備)
通報制度事務局は以下の業務を行うこと。
(1)本規則に基づく制度の整備、周知に取り組むとともに、通報又は相談の受付から、それらへの対応を完了するまでの一連の業務に従事し、適切に管理する。
(2)本規則に係る業務執行状況について、定期に執行役会、取締役会および監査委員会に報告する。
(情報管理)
窓口利用者からの通報により得た情報は、予め明示的に同意しない限り、調査・是正に必要な必要最小限の範囲以外に共有しないこと。
(調査)
通報対応業務に関与する者は、公益通報者保護法に基づく守秘義務を負うこと。
(協力義務)
役員・従業員は、調査に際して協力を求められた場合には協力しなければならないこと。
(是正措置等)
是正措置が必要であると判定された場合には、是正指示に基づき当該行為に関連する部門の部門長又は関係者は、速やかに是正措置等を講じなければならないこと。
(処分等)
調査の結果、通報対象行為が明らかになった場合には、当社は、当該通報対象行為に関与した役員・従業員に対して適切な処分等を課さなければならないこと。
(窓口利用者等の保護)
窓口利用者に対して、通報したことを理由として、一切の不利益な取扱いをしないこと、当該不利益取扱いを行った役員・従業員に対する懲戒処分、当該不利益な取扱いを受けた役員・従業員に対する適切な救済及び回復のための措置を行うこと。
(探索の禁止)
役員・従業員は、通報した役員・従業員が誰であるか、通報された事案に関する調査に協力した役員・従業員が誰であるかを探索してはならないこと。
(秘密保持)
役員・従業員は、本規則に定める場合のほか、法令に基づく場合等の正当な理由がない限り、対象事案に関する情報を開示してはならず、当該情報について秘密を保持しなければならないこと、また、対象事案に関する情報を目的外に使用してはならないこと。
(利益相反の回避)
役員・従業員は、自らが関係者となっている対象事案の調査や通報対象行為の是正措置等の検討に関与することはできないこと。
(通知等)
通報制度事務局は、連絡先の分かる本件窓口利用者に対して、通報又は相談を受け付けた旨を速やかに通知するとともに、受付後の対応方針についても適宜通知しなければならないこと。
(職制上のレポートラインにおける通報者等の保護等)
役員・従業員は、職制上のレポートラインに対する通報者および相談者に対して、当該通報を行ったことを理由として、不利益取扱いを行ってはならないこと。
(自主的な通報の取扱い)
通報対象行為に関与した当社役員・従業員が自主的に本件窓口又は職制上のレポートラインに対して通報した場合や調査に協力した場合にも、これをもって免責はしない。但し、各事案の状況に応じて処分等の減免を考慮することがある。
(通報に対する評価)
当社は、重大な通報対象行為の発見および是正に寄与した当社の通報者および調査協力者に対して、積極的な評価を行うものとすること。
(周知・研修)
通報制度事務局は、個人情報等の保護に配慮した上で、本件窓口の運用実績について、コンプライアンス管理委員会に報告し、当社役員・従業員に対して周知すること、役員・従業員に対して、定期的に内部通報制度に関する周知および研修を行うこと。
また、利用者は、日立建機に設置された直通の連絡先、及び外部業者に設置された連絡先の2つの窓口に通報が可能です。通報の方法は、メール、電話、郵便、面談等で対応し、通報者の便宜を図っています。外部業者に設置された窓口では、200言語による対応を行い、グローバルな通報対応を行っております。
2023年度の通報実績は以下のとおりです。
件数:95件
内訳:ハラスメント関連:51件
労務関連(ハラスメント以外):13件
会社規則違反:18件
法令違反:6件
その他:7件
コンプライアンス教育・研修
日立建機グループでは、ビデオEラーニング「コンプライアンス解説プログラム」(以下「CIP」)を毎年実施しており、日立建機代表執行役社長が日立建機グループの役員・従業員に対して、コンプライアンスの重要性とコンプライアンス通報制度の活用について解説しています。
また、従業員が業務遂行上、特に留意すべき以下の事項について、CIPによる教育を実施しています。
(1)独占禁止法違反:カルテル、談合等、独占禁止法に違反する行為を防止するため、競合他社接触のリスク、法令に違反せず、業務上の必要性から競合他社と接触する場合の社内手続きについて教育。
(2)贈賄防止法令違反:公務員等に対する贈収賄防止法令に違反する行為を防止するため、公務員等に対する接待・進物提供のリスク、法令に違反せず、業務上の必要性から接待・進物を実施する場合の社内手続きについて教育。
(3)反社会的取引・マネーロンダリング・テロ資金供与防止法令:反社会的勢力との取引、マネーロンダリング・テロ資金供与への関与を防止するため、新規取引に関するリスク、新規取引を開始する場合の社内手続きについて教育。
(4)その他、日立建機グループ内で発生した法令違反について、再発防止策の一環として、発生した具体的な事例を解説し、再発防止を教育。
以上の教育は、日本語版に加え、以下の10言語により日立建機グループ全社で実施しています。
教育実施言語:英語、フランス語、スペイン語、ポルトガル語、ロシア語、中国語、タイ語、インドネシア語、マレーシア語、タミル語
2023年度のCIPの実施状況は、日立建機グループ全体で以下のとおりです。
- コンプライアンス解説プログラム受講者:合計19,483名
環境コンプライアンスへの対応
日立建機グループは、事業活動の環境への影響を考慮し、法規制や条例よりも厳しい自主管理基準を設定して環境管理の徹底に努めています。各事業所で、水質や騒音などを定期的・継続的に測定し、環境リスクを低減するよう管理しています。また、環境法規制や違反事例の情報をグループ内で共有し、再発防止と管理 の強化に取り組んでいます。
さらにサプライチェーンにおける環境リスクを特定し、排除・最小化するためにCSR全体の取り組みの中で環境コンプライアンスの管理を強化しています。
2023年度は法令・条例の違反が3件発生しました。内2件は恒久対策が完了しており、1件は対策中です。全て罰金・刑罰・行政処分はありませんでした。また、騒音に係る苦情が2件、臭気に関する苦情が1件ありましたが、1件は対策を完了し、2件は対策中です。今後も継続的に環境管理を強化し、再発防止と発生抑制に努めていきます。
2020年度 |
2021年度 |
2022年度 |
2023年度 | |
法令・条例などの違反 | 6件 |
17件 |
5件 |
3件 |
行政指導 | 0件 |
9件 |
0件 |
0件 |
苦情 | 2件 |
3件 |
3件 |
3件 |