社会貢献
社会貢献に対する考え方
企業活動は、健全な地球環境や社会の持続的な発展があって初めて成り立つものです。
日立建機グループでは、社会貢献を重点的に進めるために「日立建機グループ社会貢献方針」を2006年度に策定しました。2022年4月には、グループグローバルでサステナビリティを推進するため、社会貢献方針を以下の通り見直ししました。この方針のもと、日立建機グループは、社会の一員であることを深く認識し、事業を通して社会課題の解決に寄与するとともに、社会貢献活動を通じて、より良い社会を実現するための取り組みを行っていきます。
日立建機グループ社会貢献方針
日立建機のビジョン「豊かな大地、豊かな街を未来へ 安全で持続可能な社会の実現に貢献します」を実現することが、私たち日立建機グループの使命です。
社会インフラを支え、快適で暮らしやすい環境を提供するエッセンシャルビジネスに携わる私たちは、機械と人間の協調を通じた、より良い未来を創造すべく、多様な社会・環境課題の解決に取り組んでいます。
急速に変化する社会の中で、より豊かなコミュニティを構築するために、私たちは特定した重要課題(マテリアリティ)をテーマに、社会の課題や要求に応えていきます。
気候変動への対応は、社会にとってはもちろんのこと、私たちの事業にとっても、重要な課題です。また、GHG排出量削減につながる循環型社会への転換も求められています。
このような私たちを取り巻く世界のさまざまな問題を解決するためには、多様なステークホルダーとの協働を通じ、コミュニティへの発展や課題解決に寄与することが求められます。私たちは、「Kenkijinスピリット」という共通の価値観をもって全世界に広がる従業員とともに、社会課題の解決に挑戦し続けます。
日立建機のビジョンを実現するために、私たちは以下の重点分野に注力しています。
- 気候変動への挑戦
- 資源循環型経済への貢献
- お客さまを取り巻くコミュニティの課題解決
- グローバルガバナンスの強化
主な社会貢献活動
日立建機グループでの活動
2023年6月、世界環境デーにあわせ、地球環境にポジティブインパクトをもたらすためのアクション「Positive Social Impact キャンペーン」を実施しました。
項目 | 内容 |
参加会社数 | 16社 |
参加者人数 | 約2900人 |
活動 | 省エネルギー:13件 緑化、森林保全:18件 ごみの削減、資源のリユース・リサイクル:18件 清掃:13件 その他:25件 |
インパクト | ・節電、徒歩や自転車での移動等を推進することでの、エネルギー/CO2削減 ・清掃活動にて、62袋分のごみを回収 ・リサイクルやリユースを推進し、埋立てごみを削減 など |
活動例
日本
・不要な電気を消す、グリーンカーテンなどによる省エネ/節電
・田植え体験と生きもの観察会
・リサイクルの推進(廃食油、ペットボトル、ヘルメットなど)
インド
・工場敷地内に植樹
・NGOによる「プラスチック汚染の撲滅」をテーマにした寸劇を鑑賞、ごみ拾いコンテスト実施
・ゴミ廃棄、きれいな職場環境のための啓発キャンペーン
中国
・木材、ブリキの箱、木箱、紙パックなど再生可能資源のリサイクル
・環境月間研修・教育、環境事故訓練の実施
・環境をテーマにした写真コンテスト、従業員の子どもたちによる塗り絵を実施
アジア・大洋州
・従業員の通勤に電動バイクを導入
・ペットボトル使用を回避し、マイボトルで飲み物を持参
・地域住民の清潔で健康的な生活への意識を高めるため、健康セミナーを実施
アフリカ
・地域の小学校にてリサイクルの大切さを伝える教育を実施
・地域の小学生とともにプラスチックごみ回収およびごみ拾い競争を実施
・植樹
欧州・ロシア・中東
・使い捨てカップをリユース可能なものに置き換え
・徒歩、自転車、カーシェアでの通勤を推進
・コミュニティセンターとともに野菜やフルーツ農園を造成
米州
・従業員から家庭用品を集め、アウトレット販売し地域の住宅建設資金として寄付
・従業員から衣類を集め、貧しい家庭へ寄付
・移動に伴うエネルギー使用を減らすため、徒歩での移動を推進
オーストラリアの小児病院へ、医療機器を寄贈
日立建機(オーストラリア)は、オーストラリアの小児病院へ、医療機器を寄贈する取り組みを行っています。
日立建機(オーストラリア)のこの取り組みは、オーストラリアのハンプティダンプティ財団(Humpty Dumpty Foundation)の活動を支援するものです。財団は1996年に創設された子供たちのための慈善団体で、オーストラリアの小児病院へ医療機器を提供する活動をしています。その一つに、オーストラリアの250以上の病院や新生児施設が必要としている救命医療機器をリスト(Humpty’s Wish List)にまとめて、寄贈先を募る活動があります。リストの中から寄贈を希望する地域の病院・医療機器を選び、財団へ申し出ることで、病院とのマッチングが行われる仕組みです。HCAはこの活動に賛同し、毎年10万オーストラリアドル相当の医療機器の寄贈を行っています。
日立建機(オーストラリア)は、今後もハンプティダンプティ財団とともに、オーストラリアの子どもたちの笑顔につながる支援活動を続けていきます。
中国での小学校支援活動
中国の安徽省合肥市政府は、1992年より青少年に対する慈善事業を推進する「合肥市希望プロジェクト」を進めています。このプロジェクトには多くの企業が賛同し、これまでに多くの活動が行われてきました。
日立建機(中国)も設立以来、本プロジェクトを通じた社会公益活動に参画しています。特に教育の面では、合肥市に教育基金を寄付することで2010年の日立建機宋崗希望小学校の建設をはじめ、定期的な学校訪問や物品の寄贈、体験学習プログラムの提供など、子どもたちの教育機会の創出に努めてきました。
2017年8月には、これらの地域に対する貢献が讃えられ、合肥市政府から「合肥市希望プロジェクト貢献賞」を授与されました。日立建機(中国)は、今後も合肥市希望プロジェクトの取り組みを支持し、未来を担う子どもたちへの支援活動を続けていきます。
ホルチン砂漠の緑化活動(中国)
ホルチン砂漠は内モンゴル自治区に位置する中国最大の砂漠です。約20年前まで住民の多くは飼料用のトウモロコシを栽培しながら、牛やヤギなどを放牧する半農半牧の生活を送っていました。しかし、干ばつなどの影響でかつての草原は砂漠へとすっかり変貌してしまい、農牧業の生産性の低下や砂塵被害の増大などの深刻な問題を招いていました。
日立建機グループでは、2004年からNPO法人緑化ネットワークの活動理念に賛同し、ホルチン砂漠の緑化活動を開始しました。第1回目の10カ年計画は、日立建機(上海)が2004年から開始し、2014年までに10万㎡の砂漠の緑化を実現しました。その後2015年から、第2回目の10カ年計画として、ホルチン砂漠の別の場所で13万m2砂漠の緑化をめざし、日立建機(上海)が中国国内の代理店とともに植樹活動を行っています。さらに、第3回目の10カ年計画として、日立建機(中国)が2017年から、調達パートナーとともに新たな10万m2の植生回復を推進しています。累計で33万m2にのぼる砂漠の森林復元は、生物多様性の保全、CO2の吸収や資源循環などにつながります。
長年の活動を通じて、現地政府や住民との信頼関係が築かれ、柵の設置や植樹、メンテナンスといった作業には現地の方が従事されるなど、地元の活性化がコミュニティの発展にもつながっています。活動初期の場所では、かつて生息していた野生のキジやキツネの姿も少し見られるようになり、生物多様性も回復してきました。
日立建機グループはこれからも地域の環境課題を解決し、生活の質の向上と持続可能な社会の両立を実現するため、ホルチン砂漠の緑化活動を推進していきます。
社会貢献関連費用
日立建機グループは、2023年度の社会貢献関連費用として、277百万円を支出しました。