製品開発|山口 佳奈美
山口 佳奈美
研究・開発本部 実験解析評価センタ
2012年入社
※記事は2018年3月時点のものです。
中型ショベルの事前評価から
大型機械の設計業務へ
女性技術者として開発の第一線へ
実験解析評価センタの評価チームで中型油圧ショベルの事前評価に携わっていました。事前評価とは、時間もお金もかかってしまう工程を、CAEを使って振動・強度面の評価を事前に行ってしまおうというものです。最適な評価方法を選択し実行することで、質の高い製品の開発に努めました。現在は、設計業務を学ぶためにマイニング開発センタに異動し、鉱山などで使われる次期EX3600の開発を担当しています。ちょうど担当車体の組立が終わり、もうすぐ試験が始まるので、引き続き取り組んでいきます。将来の夢は、女性技術者として、開発の第一線で活躍することです。設計業務に携わってわかることは、そこで活躍することに男女の差はないということです。確かに体力や生活面での差はあるかもしれませんが、それによって大きく引き離されることはないと思います。まだまだ勉強しなければならないことがたくさんありますが、チームで一つの車体をつくり上げるのはとても楽しいです。強度や振動の問題を解決しつつデザイン性のあるフレームや、新しい技術を取り入れた機械を開発して、いずれは、チームを指揮していけるような存在になりたいですね。
担当車体がお客さまに届くまで諦めない
設計への異動は、武者修行に出るような強い決意で自ら志望しました。日立建機の重要な部署の一つですので、一度は経験してみたいと思ったからです。異動してわかったのは、取り組み方の違いです。油圧ショベルの事前評価に携わっていた頃はミクロな部分しか見ていませんでした。例えば、フレームも強度の基準をクリアすることに注目しすぎて、全体的な流れをあまり見ていなかったですね。でも設計の場合は、開発からお客さまに出すところまでを全部見通しながら考えていました。予算もスケジュールも決まっているので、いかに効率良く進めるかがポイントになりますが、そのためには、全体的に一番バランスの良いところを見つけて、他の段階に活かしていくのが大切だとわかりました。さらに設計では、構造物単体だけを考えるのではなく、組立のしやすさや他の部品との関連性といった多方面からの見解も求められます。これは経験をしなければ身に付けることができないことなので、現場に張り付いて担当の先輩方に教えていただいています。担当する車体がお客さまのもとに届けられるまで元の部署には戻らないと決めているので、毎日が挑戦です。
チーム全員が納得できる製品を
この仕事で一番大切なのは、チームワークです。作業自体は一人でやることが多いですが、油圧ショベルをつくるにはチームで仕事をしなければなりません。私が担当していた構造物部位だけではなく、油圧機器や、電気部品といった、ありとあらゆる部品が集まらないと油圧ショベルは成り立たないからです。そして、その一つひとつに、たくさんの人の手が関わっています。だからこそ、日頃からコミュニケーションを密に取って全員が納得できる最適な構造をつくることを心がけています。何より、お客さまにもっと良いものを提供できるよう、みんな自分から積極的にコミュニケーションをとるようにしています。学生の皆さんは、就活にあたってさまざまな企業説明会に参加されると思いますが、そのときに感じる会社の雰囲気は間違っていないと思うので、その感覚を信じてほしいですね。私自身も、「人」で日立建機を選んだことは間違っていなかったと確信しています。建機業界のような業界に入って来ようと思っている女性は、相当の勇気と信念を持っている人だと思いますが、この会社なら大丈夫。心配なことがあれば、相談に乗ってくれる先輩従業員が男女問わずたくさんいるのも、この会社の魅力です!